サウジNEOMが発表の新都市計画「Jaumur」は、水辺の高級コミュニティに6000人を収容
海洋研究にも注力
すでにネオムは、持続可能な都市開発プロジェクトとして近年、「Leyja」など11の都市の建設計画を発表している。Jaumurはこれらに続く第12の計画だ。 Jaumurは定住および娯楽の拠点としてだけでなく、学術センターとしての側面を担う。最先端の深海研究センターをエリア内に創設し、深海探査専門の研究を推進する。当該分野の専門家や先駆者らを迎え、学術的発見や知識の蓄積、さらには海洋環境の保全を促すという。 このほか、寮付きの国際学校を整備し、世界各国から一流の留学生たちを集める計画となっている。ネオムの取締役会は声明を通じ、「最先端の深海研究センターと一流の国際寄宿学校の開発は、Jaumurの革新性と学術への取り組みを象徴するものです」と述べ、教育・研究面での意義を強調した。
壮大なネオム・プロジェクトの行く先は
前代未聞の規模で進む一連のネオムによるプロジェクトは、良くも悪くも話題を集めている。フラッグシップ・プロジェクトであり全長170kmの鏡状のビルを建設する「ザ・ライン」計画は、一時大幅な計画縮小が報じられたあと、公式に報道を否定する声明が出された。 これとは別に、英BBCが5月に報じたところによると、ザ・ラインの土地収用に反対した部族の1人が射殺されたという。 一方でネオムには、石油資源に依存するサウジアラビアの体質を転換し、より持続可能な発展へ舵を切るねらいが込められている。 スケールの大きな発表が続く同プロジェクトが、現実的にどの程度実現してゆくのか。今後の推移が注目される。
文:青葉やまと