開通から50年超 首都高の老朽化はどれくらい危ういのか?
交通量が多く大変な補修作業
現在も首都高を守る作業は日夜おこなわれています。 補修箇所箇所を見つけるための点検作業は3段階あります。パトロールカーによる巡回点検、歩いて目視で点検する徒歩点検、そして壁や天井にまで近づいて目視したり、打音検査をしたりします。高所には高所作業車に作業員が乗り込み目視点検をし、作業者が入れない箇所にはビデオカメラをとりつけたポールカメラで確認するといいます。さらに目や打音検査ではわからないキズを電磁波レーダーや赤外線サーモグラフで確認しているのです。 そしてこれらの点検で老朽化や損傷が確認されると補修をおこないます。交通量が多く、交通規制がなかなかできないため、首都高の補修作業の大半は交通量の少ない深夜におこなわれます。しかも夜間に短時間でおこなう必要があるため、大量の作業員を動員して一気に補修工事をするケースが多く、一晩で600人を超えることもあるといいます。 東京の物流はこれらの点検・補修の上に成り立っているといえるでしょう。2020年の二度目の東京五輪にあたって、どのような整備ができるのか国、東京都、首都高速道路会社、社会的な合意、環境への配慮など、さまざまな立場の意見を調整しながら、実施していくことになるでしょう。 そう考えると2020年までの6年というのは、「まだ6年ある」というのではなく、「もう6年しかない」のかもしれません。