【夏汗の正しいケア知ってる?】医師がアドバイス。汗を制して夏を制す!
体温より高い連日の猛暑に、体の疲れもピーク状態。「毎日大量の汗をかいて本当にツライ」という人もいると思いますが、汗をかくことはとても重要なことなんです。ここでは、医師の慶田朋子先生に、汗とうまくつき合う方法をご指南いただき、さらに編集部が厳選した汗ケアアイテムをご紹介します。 【写真】汗ケアにおすすめのアイテム6選 ◇教えてくれたのは 『銀座ケイスキンクリニック』院長 慶田朋子先生 東京女子医科大学医学部卒業、同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、2011年に『銀座ケイスキンクリニック』を開設。ヒアルロン酸注入指導医。メスを使わずナチュラルな若返りを叶える美容医療に注力。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などのわかりやすい解説が人気で、TV、雑誌、ウェブなど多方面で活躍中。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。
1. 汗の正体とは?|体温を調節するために汗腺から出る水分
慶田先生:汗をかくことはとてもよいこと。よく発汗する人の汗はにおいません! 実は、汗は血液から作られています。 体温が上昇すると、血液からミネラル分と水分が汗腺に取り込まれ、ミネラル分のほとんどは血液に再吸収されて、水分だけが皮膚の表面に出てきます。これが汗です。 汗の重要な役割は体温調節。気温の上昇やスポーツ、風邪の発熱などで体温が高くなったときに発汗が起こります。汗の中の水分が皮膚上で蒸発するときに熱が奪われ(気化熱)、それによって体温が下がり平熱に保つことができるのです。 汗には2種類あって、一般的に「いい汗」はサラサラしていますが、「悪い汗」はベタベタしています。この違いは、汗の成分濃度に関係します。 汗の成分の99%は水分で、残りは塩分やミネラル、乳酸などの老廃物です。 軽い運動や半身浴などで日ごろから意識して汗を出すようにすると、汗腺の働きが高まり、いい汗がかけるようになります。その際、たっぷりの水分補給を忘れずに!
2. 汗のために出かける前・出かけ先でしたいこと
慶田先生:汗は“塞ぐより出す”。ふきすぎるよりは冷やしたり水分を“置く”と汗がひきます。 毎日出勤するだけで滝汗の人も多いことでしょう。家を出る前に制汗剤で脇汗を抑える人も多いと思います。ノースリーブならそれもおすすめですが、 基本、首の後ろや、首横の頸動脈、脇の下(腋窩リンパ)を保冷剤やキンキンに冷えたジュース缶で冷やすほうが汗はひきます。 これだけ暑いと汗が出るのは当たり前。少し早めに出勤して、トイレなどでインナーを着替えるほうが手っ取り早いし気持ちいいです。 汗をかきにくい人の汗は、気化しにくくてややベタッとしています。そういう汗は、濡らしたタオルやハンカチをビニール袋の中に入れて携帯し、気づいたときに押さえるのもおすすめします。体温が下がらないうちにふき取りすぎるとまた汗が出てしまうので、汗部分には、濡れたタオルで水分を“置く”ようにすると汗が止まります。