実はペルシャ生まれ!? の「天ぷら」に外国人がみんな夢中になる理由とは?
盛り付ける順番にもこだわりが詰まっている
盛り付け方も美しくてまるでアートのように見えるから食べるのがもったいない。まずは、油を切ったものを出来るだけ温かいうちに敷紙を敷いた器に盛付けるのが基本。そしてなるべく天ぷら同士が重ならないようにしながら、立てかけるようにするという決まりがある。 食材の特徴や色味などの順番にも決まりがあって、基本は手前より淡白な味のものから、順に濃い味のものへと盛り付ける。盛り付ける順番からこだわりが詰まっていて、ますます天ぷらは奥が深いと思ってしまう。まさに日本料理の美しさを五感で感じられるのが素晴らしいよね。そう思いながらも箸を持つ手は自然と天ぷらを口に運んでいて、もぐもぐタイムが始まるんだ。
天ぷらの専門店に行けば自分の前で揚げてくれる作業も見られるし、気楽に安く食べられるチェーン店でも大満足できる。定食でもうどんでもいろんな日本料理にセットでつけられる。野菜が苦手な人でも天ぷらにするだけで完食できちゃう。定期的に食べたくなるよね? 僕が天ぷらをどのくらい愛しているかというと、スーパーで惣菜コーナーに行くと頭の中が「天ぷら天国」(ダブル天)になるほど(笑)。買う予定ではなかったのに、家に帰ったらレジ袋から必ず出てくる。
天ぷらは6世紀のペルシア帝国にあった料理!?
ところで天ぷらという日本語は世界中で通じるけど、実はこれは日本語ではないんだ! ここから天ぷらの謎に迫るけど、最後まで読んでくれる? 日本に天ぷらの調理法が伝わったのは室町時代(1336 - 1573)だそう。「南蛮料理」としてポルトガルから伝わったとされて、ポルトガル語の「Tempero(テンペロ)」(意味は調味料)が語源という説があるのはよく知られているよね。 でも実は、元々はポルトガル料理でもないんだ! 天ぷらは、なんと6世紀のペルシア帝国にあった料理だという説もある(※)。1500年も昔の時代に生まれた料理が様々な地域の違う食文化に取り入れられて、今もこんなに多くの人に愛される料理になっているなんて天ぷらとピッツァくらいしかないと僕は感じている。皆さん、信じがたいかもしれないけど、現在食べている天ぷらは元々ペルシア料理だよ! ※参考『ペルシア王は「天ぷら」がお好き?』(ダン・ジュラフスキー著/早川書房)