実はペルシャ生まれ!? の「天ぷら」に外国人がみんな夢中になる理由とは?
イタリア生まれのフード&ライフスタイルライター、マッシさん。世界が急速に繋がって、広い視野が求められるこの時代に、日本人とはちょっと違う視点で日本と世界の食に関する文化や習慣、メニューなどについて考える企画です。
天ぷらは美味しいね! 季節の食材から生まれる旨みは口に優しくてそのまま楽しく味わえる。そして、一番たまらない部分はサクサクの衣にある。噛むたびに耳に入る音に癒されて幸せになるのは僕だけではないよね? 同じ揚げ物でも、イタリアで食べていたものとは「なんだ!全然違うぜ!」と思ってしまう。 日本人にとって天ぷらは子どもの頃から家庭でも食べられていて、当たり前の味と存在になっているかもしれない。だけど、外国人から見ると憧れの料理なんだ。日本料理に目がない僕と一緒に、その美味しさの謎に迫る「天ぷらワールドツアー」に参加しよう! 遊園地より楽しめるかもよ。
海外ではなかなか味わえない「サクッ」とした食感
僕もそうだけど、天ぷらに盛り上がる理由の一つは「衣」だ。イタリアの揚げ物は細かいパン粉をつけて揚げるから、外側のサクサク感がなくて色も濃くなる。ガッカリするのはフォークとナイフで切る時に中身と衣がバラバラになっちゃうこともあって、結局別々に食べてしまうのが珍しくはない。とにかく、同じ揚げ物といってもイタリアには天ぷらのようなものはない。サクサクの衣、中身の味と食感は新鮮なまま。イタリアの揚げ物より全然美味しく感じるのよ。 日本の天ぷらといえば、さつまいやかぼちゃ、レンコン、えびなどのイメージが多いけど、時にはキスやちくわ、ミニトマトもある。そのなかで僕が一番驚く具材は「大葉」だ。薄い大葉に衣を薄くつけて短時間油にくぐらせると、とんでもない美味しい食感と味が出てくる。葉っぱがなぜこんなに旨くなるんだろうと思っちゃう。苦手で食べられないなんて人には今まで出会ったことがない。食べたことがない外国人でもひと口目から大感激だ。
海外で人気になった理由は奥深い! まずは新鮮で品質が想像以上に良い。見た目がどこからみても美しい。そして、言うまでもなく美味しい。そして天ぷらは見た目が美しいだけでなく、海外ではなかなか味わえない「サクッ」とした食感が誰の口にも合う。 もう一つの理由は揚げるという作業。これは簡単で誰でもできるように見えるけど、実はそうではない。衣へのこだわり、油へのくぐらせ方など繊細な作業ということで、日本人ならではのこだわりとアモーレ(愛)が溢れている食べ物のひとつだよね。