<独占インタビュー>“日本一勝負強い男”が2014年を振り返る、ソフトバンク日本一の真相
2014年にプロ野球シーズンの頂点を極めたのはソフトバンクホークスだった。パ・リーグの優勝を決定したオリックスとの10・2決戦でサヨナラヒット、阪神との日本シリーズでも、第5戦に決勝タイムリーを放ち日本一を決めるなど、“日本一勝負強い男”となった松田宣浩(31)に、今シーズン、そして来季への思いをTHE PAGEの独占インタビューで振り返ってもらった。
── ペナントを制して日本一。最高のシーズンだったのではないですか? 「『あれだけの戦力があって勝てないわけがない』と開幕前には多くの評論家に言われましたが、プロの世界はそんな簡単なものではありません。苦しんでのリーグ優勝であり、苦しんでのCS突破、日本一でした。苦しい思いは来年はさらに大きいと思っています」 ── クライマックスシリーズを前に秋山監督の勇退が明らかになりました。 「嘘や?と思いました。確かに動揺がありました」 ── そうでしょうね。 「選手みんなで集まって話をしました。『監督に最後、いい思いをさせてあげよう。CSを突破して絶対に監督を日本一監督にするんだ』。それをチームの合言葉にしました」 ── オリックスとの10・2決戦、日本一を決めるシリーズ第5戦と、節目をすべて決めたのは、松田さんのバットでした。何か勝負強さの秘訣があるんですか? 「自分で決めよう、ヒーローになるぞなんて思うと逆にダメなんです。結果的に『いいところを全部、もっていったなあ』と言われますが、チャンスに失敗しているケースも少なくありません。そういうときは、たいてい『ここで決めよう』と欲が出ている場面で、そういう心理で打席に入ると、まあ打てません(笑)」 ── 勝てば優勝が決まるオリックス戦では延長10回一死満塁の場面でした。マウンドには比嘉。左中間を真っ二つに割るサヨナラで優勝を決めましたが、さすがに『俺が決める』ではなかったのですか? 「それが違うんですよ。後ろにつなごうと言う気持ちでした。日本シリーズの第5戦のメッセの打席もそうです。後ろにつなごうと思っていました。そういうときにこそネクストバッターズサークルのバッターを見て打席に入るんです。『つなぐから頼むぞ』と。そう考えると視野も広がりポイントも広くなります。逆に決めようと考えるとバッティングは荒くなり打てるポイントも限られてきます」 ── なるほど。 「日本シリーズの第3戦で藤浪と対戦したときがそうでした。シリーズに入ってまったく打っていませんでした。短期決戦で1、2戦で躓くと苦しくなります。なおさら『絶対に返すんだ』と思ってしまって1回、3回と二度もあった一死一、三塁の場面で藤浪にケチョンケチョンにされました。チームのことを考えたときにこそ結果が出るんです」