子どもの友達に「汚い家」と言われた…片づけのプロが見た「ぐちゃぐちゃの家」に住んでいる人の意外な特徴
■なぜ「完璧主義」な人は片づけが苦手なのか? 掃除が嫌い・苦手だと感じるタイプに多いのは、意外にも完璧主義な人です。完璧主義な人は物事を0か100かで捉える傾向があります。 自分自身に対する評価も厳しく、100%きれいな状態以外はダメだと思ってしまっているため、自分は掃除が「できない」「苦手」と思い込んでしまっているのです。 そのほかにも、こんな「完璧主義」の方たちがいます。 ・自分以外のことに一生懸命 真面目で完璧主義な人は、自分よりも他人を優先し、何事も一生懸命な人が多いようです。子育てや仕事、人付き合いに頑張って、自分のことは後回し。毎日目の前のことをこなすだけで精一杯で、自分が心地いい空間づくりまで頭が回らない。 ・ずっと正解探しをしている 完璧を求めるあまりいつも「これでいいのかな」と考えてしまう。失敗することは許せない、と思っている人も多いようです。片づけも、「この方法でいいのかな」「もっと効率のいい片づけがあるのではないか」と考えることに時間を費やしてしまい、一歩が踏み出せない。 ・ダメな自分をさらけ出せない 片づけられないキャリア女性に多いのがこのタイプ。外ではバリバリ働いているけれど、家の中は散らかっている。どうにかしたいと思っているけれど、ダメな自分は見せられない。他人からの評価が気になり、鎧を着ているように生きている。 こんな「完璧主義」の方たちにお伝えしているのは、「完璧主義ではなく、完了主義になりましょう」ということです。 完璧な状態を求めるのではなく、「今はとりあえずこれがベスト」と思ってやり始め、小さくてもいいので、一つひとつしっかり「完了」させていくのです。 私が開催している片づけの講座では部屋の現状を写真に撮ります。部屋だけでなく、書類入れ、食器棚、クローゼットの中などもです。最初は「恥ずかしい」と抵抗する人もいますが、みんなで共有し合うと「みんなもそうなんだ」とだんだん今まで着ていた鎧が外れて、完璧ではない「本当の自分」が出せるようになるんですね。 ■「痛み」が自分を変えるモチベーションに このように、自分のダメな部分をさらけ出して「痛み」を感じることは自分が変わるモチベーションとしては強いです。意図的ではなくても、こんな「痛み」が片づけのきっかけになったとおっしゃる方がいます。 ---------- ・子どもが急に友だちを連れてきたとき、「汚い家だな」と言われてしまった ・家族が事故にあって急にお姑さんがきて、汚部屋がバレてしまった ・息子が結婚することになったが「こんな汚い家じゃ彼女を呼べない」と言われてしまった ---------- そもそも完璧主義の人は、自分に期待しすぎている傾向があります。 自分では気づいていないかもしれませんが、「私は失敗できない」「みんなから認められたい」とどこかで思っているんです。 でも実際は、理想の自分と現実の自分に乖離があって、モヤモヤしてしまう。だったら最初から自分に期待しないほうがいい。自分から積極的に「痛み」をさらけ出してしまったほうがいい。 私は、もしかしたら周りから完璧主義と思われているかもしれませんが、そもそも自分には期待していません。小さい頃から何事も遅くて怒られることが多かったし、夏休みの宿題は終わったことがなかったし、中学3年生は3分の1ぐらい学校に行っていないんです。 転機となったのは高校です。最初はあまり行きたくない高校でしたが、そこですごく自分を認めて、ほめてくれる先生に出会い、自信がつき、行動できるようになりました。人間、ある程度の痛みは大事ですが、痛みが大きすぎると行動できなくなります。 自分に期待しない。あまり痛みが大きくならないうちに行動し、応援してくれる人を周りに置く。 それが、完璧主義さんが変わる秘訣かと思います。 POINT 「完璧」なんてどこにもない 毎日少しずつ「完了」させていこう ---------- 西崎 彩智(にしざき・さち) お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片づけを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。 ----------
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智