靴選びで「かかとに指1本」「横幅広めでゆったり」はNG!? 意外な落とし穴5つ【靴のマイスターに聞く!#2】
勘違い3:「足に合う靴=幅広でゆったりした靴」
「その他に、よくある勘違いが足の横幅(足幅・足囲)です。『自分の足は、横幅が広めで……』と思っている方、きっと多いのではないでしょうか。 靴のJIS規格では、横幅がA~Fのアルファベットで表され、量販店等では3E、4E、5Eといった横幅が広めの靴の人気が高く、数多く並んでいます。 ですが、実際に日本人の足に多いのは女性でD~E、男性でE~2E。しかも統計を見ると近年、少しずつ足が細くなっています。もちろん実際に横幅が広い足の方もいるものの、あくまで少数派なんです。 ではなぜ3E~5Eが多く販売されているかというと、それは“売れるから”。横幅が広い分、履いた時にゆとりがあって心地よく感じるため、“足に合っている”と錯覚しやすいのですが、それは間違いです。 左右が当たらないということはつまり“足を支えられていない”ということで、“開張足”(※)や“外反母趾”などの症状に繋がります。足を甘やかす靴ではなく、足にフィットして適切に保持してくれるような靴を選びましょう。 かかとを合わせて、しっかりひもを締めた状態でトントンと動かしたときに、足が靴の中で動かないくらいの“多少の締め付け”があるのが、適切なサイズです」 ※開張足:本来アーチ状になっている足が、左右方向に広がって、平たくなってしまっている状態。 「横幅がフィットする靴だと、外反母趾などで指が当たって痛い……という場合にも、横幅が広い靴を履くのはさらなる悪化に繋がってしまうので、できるだけ避けましょう。 その代わりに、チェックしてほしいのが靴のデザイン。パターンの境目や縫い目、素材が2重になったような箇所は固く、かつ厚くなっているので、そこに痛む箇所が当たらないようなデザインの靴を選びましょう。材質も、革などの柔らかい素材のものを選んだ方が、痛みが軽減されます。 パンプスであれば、足の甲が広くなるようなカットラインのものは特に足に負荷がかかりやすいので、なるべく深く足を包み込むようなつくりのものを選ぶようにしてください」