「見た目は大人、頭脳は子ども」目には見えない障がいがある18歳の女性 「できないことを責めないで」自身のことをSNSで発信する理由とは
障がいでも生きやすくなってもらいたい
現在、華さんは就労支援B型事業所に通い、動画クリエイター、アーティストとして活動しています。そして、TikTokでは障がいのことや症状について、またできないことを少しできるようにする工夫などを発信しています。 動画の編集などを自分でこなし、TikTokにあげているため「なんで、これはできるの?」など疑問に持つ人も多いのですが、華さんは「できることとできないことの差が激しく、動画編集は興味のあることだからできます」と話します。 自身の生活については「支援者と周りのサポートがある環境がないと一般的な生活が何にもできないレベルなので見通しを立ててもらい、わかりやすく説明してもらえる環境が必要ではあります」と話してくれました。 華さんが発信するようになったのは「今してもらっている支援のおかげで生きやすく、楽しく過ごせるようになったので、障がいに対して同じように努力している方や悩んでいる方たちにも、前向きに自分と向き合い、生きやすくなってもらいたいな…」と思ったことがきっかけでした。 「見た目は大人、頭脳は子ども」と発信した投稿には、特に多くのコメントが寄せられていました。それに対し、華さんは「あ、こういう人もいるんだと客観的に見られるようになったり、応援してくれている方を見ると活動の励みになったり、応えなきゃいけない質問を見つけたら近日中にはこたえたいな…など、さまざまなコメントのおかげで活動を続けられているのですごくありがたく思っています」と語っていました。 そして、後日質問にこたえる投稿もしています。 「どこで検査すればいいの?」「いつ検査受けたの?」などについて、華さんは新たな動画をあげて応えていました。 発達障害という名前はよく聞かれるようになったものの「自分もそうかもしれない」「いつ検査をしたのか」「誰かに検査をすすめられたのか」などのコメントも多く見られます。 それに対して華さんは「動画を通じて、やはり困っている人が多いんだなと感じました。そのため今後、少しでも困っている人が減るように、発信するためにいろいろと整理していく必要があるな…と思います」と語ってくれました。 発達障害の人は、幼少期のころから外では自分のことを出さない傾向にあるため、外面がよいと思われるといいます。華さんも実際そうで、親御さんは家で暴れてしまう華さんに対して学校に相談していたといいますが、学校はその事実に目を丸くして驚いたと語ります。そのため学校と親御さんとの食い違いが、余計理解されにくいという状況になっていたそうです。 華さん自身はもちろん「わざと外面をよくしようなんて意識はなかったのです。むしろ、外でももっと自分自身を出して受け入れてほしかった…」といいます。その経験から、現在そのように悩んでいる親御さんがいたら「特性だと受け止めて、学校に理解されなくても外と家の違いをしっかりと伝えてあげてほしい」と。 当事者だけではなく、悩んでいる周りの方にも華さんはこうした思いを発信しています。