【Q&A】「普天間飛行場」とは?
沖縄には多くの米軍基地があり、しばしばニュースになります。中でも、「普天間(ふてんま)飛行場」は、移設・返還問題と絡めて見聞きする機会が多いのではないでしょうか。普天間飛行場とはどこにある、どのような米軍施設なのでしょうか。
Q:どこにあるの?
沖縄本島中部・宜野湾市にある米海兵隊の施設です。 那覇空港から12キロほど、県庁や国際通りからは10キロほどで、車で約30~40分の場所にあります。
Q:広さは?
面積は約480ヘクタールで東京ドームの100倍超です。 これは宜野湾市の面積の約4分の1を占めます。市街地が飛行場を囲む「ドーナッツ型」になっているため、市内を移動する際には飛行場を回らざるを得ない状況です。
Q:特徴は?
米軍には、陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4軍がありますが、普天間飛行場は海兵隊の施設です。 垂直に離発着ができる輸送機オスプレイ(2012年から配備)をはじめ、数種類のヘリコプターや輸送機の拠点となっており、発着の訓練などがなされています。 周囲には住宅や学校が密集しており、2003年に上空から視察した米国のラムズフェルド国防長官は「世界一危険な飛行場」と語ったとされています。
Q:どう危険なの?
2004年8月には隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しました。校舎に激突した後、敷地内で炎上しましたが、夏休み期間中だったこともありけが人はいませんでした。 飛行中の軍用機から部品の一部や、隊員らの所持品が落下する事案も起きています。
Q:普天間飛行場の移設問題って何?
1995年に沖縄県内で米兵3人による少女暴行事件が発生し、米軍基地の整理・縮小を求める県民感情が高まりました。 これを受け、日米政府は96年、普天間飛行場を含むいくつかの米軍施設の返還を決めました。 普天間飛行場は紆余曲折の末、約40キロ北の名護市辺野古(へのこ)にある米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てて新たな滑走路を整備し、普天間の飛行場機能を維持したうえで返還されることになりました。 一方、沖縄県の故翁長雄志前知事、現在の玉城デニー知事は「県内移設反対」の立場です。また、2019年の県民投票では埋め立て「反対」に投じた県民が7割を上回り、政府方針と折り合っていません。 これらの動きが「普天間飛行場の辺野古移設問題」と呼ばれています。
Q:いつ移設が完了するの?
2018年12月には埋め立てのための土砂の投入が始まりました。しかし、一部で地盤が軟弱であることが分かり、地盤を固める改良工事をしなければなりません。改良工事をしたうえで飛行場として整備するには12年が掛かるとされており、このままいけば完成は2030年以降になる見通しです。