【Q&A】沖縄の米軍。何人いるの? 役割は? 【図解】
在日米軍基地が集中する沖縄県。しかし、具体的にどのような施設が置かれ、どういった役割を果たしているのか、知る機会は多くないかもしれません。防衛省や沖縄県の資料や取材を基に解説します。
Q:日本に米軍基地はどれくらいあるの?
防衛省のホームページによると、日本の米軍基地(在日米軍専用施設)は2020年1月現在で78か所あります。総面積は2万6318ヘクタールで、日本の国土面積の0.07%に相当します。沖縄県にはそのうち31か所、1万8494ヘクタールの基地が置かれています。 沖縄県の面積の8.2%が米軍専用施設として使われています。米軍専用施設の面積を都道府県別に見てみると、全体の70.27%を沖縄県が占めています。県の面積は国土の0.6%。「日本の国土面積1%に満たない沖縄に、7割の米軍基地が集中している」とよく言われるのはこのためです。
Q:沖縄に米軍人は何人いるの?
米軍はここ数年、沖縄の米軍関係者の人数を公表しておらず、正確な数字は分かりません。最も新しい公式の数字は、沖縄県の資料に記載のある2011年6月末時点のものとみられます。当時は、沖縄の米軍人数は2万5843人で、在日米軍(3万6712人)の約7割を占めていました。 また、軍人に軍属(米軍関連の仕事に就いている米国籍の文民)と家族を含めた沖縄の米軍関係者の数(11年6月末時点)は4万7300人(軍人2万5853人、軍属1994人、家族1万9463人)でした。 沖縄県が引用している別の米国防総省系のデータによると、2019年9月末時点の在日米軍兵力は5万7217人です。
Q:どんな基地があるんだろう。
沖縄には(1)陸軍(2)海軍(3)空軍(4)海兵隊――の4軍の部隊が駐留しています。同じ基地を複数の軍が共用していることもあります。
【海兵隊】 在沖縄米軍の特徴は海兵隊員が多いことです。2011年時点(公表されている最新の数字)では、在日米海兵隊員の9割近くが駐留しています。司令部がキャンプ・コートニー(うるま市)にあり、ヘリや輸送機オスプレイが配備されている普天間飛行場(宜野湾市)のほか、キャンプ・シュワブ(名護市)やキャンプ・ハンセン(金武町など)などに兵士がいます。 補給施設や住宅がある牧港補給地区(キャンプ・キンザー。浦添市)やキャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター。北谷町など)も海兵隊の施設です。ほとんどが森林地の北部訓練場(国頭村)も同様で、米国が本国以外でもつ唯一のジャングル戦訓練施設があります。 【空軍】 空軍は何と言っても、極東最大とも称される嘉手納基地(嘉手納町など)が有名です。3700メートルの滑走路を2本有し、F15戦闘機など100機近い米軍機が常駐しています。最新鋭の戦闘機F35AやF22もたびたび飛来します。 【海軍】 海軍は強襲揚陸艦などが接岸するホワイト・ビーチ(うるま市)が主な拠点です。長崎県の佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦「アメリカ」は、沖縄の海兵隊員を乗せて演習に出るため、その都度ホワイト・ビーチに寄港します。 【陸軍】 陸軍は兵力数では最も少ないものの、トリイ通信施設(トリイ・ステーション。読谷村)には特殊部隊「グリーンベレー」が常駐しています。那覇空港から市街地へ向かう途中にある、陸海空と海兵隊の4軍が物資などの積み降ろしに使用する那覇港湾施設(那覇軍港、那覇市)も陸軍の施設で、老朽化しており浦添市への移設が検討されています。