突如やってくる「0円提示」 給与の仕組みや契約…元Jリーガーが語る“お金事情”【インタビュー】
J1クラブは「パーティーの規模、宿泊するホテルも違いました」
現役時代にセレッソ大阪、モンテディオ山形など5クラブを渡り歩き、2022年に現役を引退した舩津徹也氏は現在、資産形成コンサルタントとしてセカンドキャリアを歩んでいる。4度の移籍を経験し、J1、J2、J3とJリーグの全カテゴリーでプレーした同氏が語るJリーグの給与や契約などの“お金事情”とは?(取材・文=福谷佑介) 【画像】どのクラブが多く支払ってる? J1全クラブの人件費ランキング ◇ ◇ ◇ 舩津氏が初めてJ1の舞台に立ったのはセレッソ大阪に期限付き移籍で加入した2012年だった。2009年にJFLからJ2に昇格したカターレ富山でプロとしてのキャリアをスタートさせて4年目のこと。目標にしていたJ1の世界は環境面、待遇面ともに、やはり段違いだった。 「スポンサーパーティーの規模が違ったりとか、宿泊するホテルも違いましたね。セレッソの時はホームゲームのたびに前泊があったんですけど、『こんなところに泊まれるのか』というくらい、いいホテルで驚きました。あとはキャンプですよね。J1のクラブは海外に行くんで、海外のキャンプに行きたいなと思っていました。僕の時は宮崎だけだったので行けませんでしたけど……」 それぞれのカテゴリーではクラブの財政状況も、環境も、当然ながら“お金事情”も異なる。サッカー界は選手の給与は「基本給」と「インセンティブ」に分かれる。金額が決まっている年俸が基本給となり、チームの勝利に応じて支払われる「勝利給」や試合出場の有無で支払われる「出場給」といったインセンティブが、クラブごとに定められている。どのカテゴリー、クラブにもあり、大きな違いになるのが「勝利給」だという。 「J1だと平均して1勝につき4、50万円くらいじゃないですかね。例えば30万円のチームがあったり、90万円のチームがあったり、クラブの予算や規模によって違いますが、平均すると4、50万円ぐらいだと思います。J2だと平均したら10万円くらいだと思います。J2でもJ1にいたチームや上位のチームであれば2、30万円というのはありますが、下位のチームとかはもっと低くて、間を取ると10万円くらい。J3だと、もっと低くなりますね」 J1クラブやJ2でも予算のあるクラブで、試合に絡んでいる選手は基本給に手をつけず、この「勝利給」をはじめとするインセンティブ分で生活することができるという。「クラブによっては出場給や無失点給、契約によっては得点給があったりして、選手の契約内容によって違います」。インセンティブ部分はクラブや、選手個々によって、さまざまな契約がある。