日本橋が晴れ渡る?首都高速どう変わる?
東京・日本橋周辺が変わろうとしています。東京と地方を結ぶ五街道(東海道・中山道・甲州街道・日光街道・奥州街道)の起点であり、水運にも恵まれた日本橋は、日本の商業や経済の中心地として発展してきた場所。日本橋といえば、上空を首都高速都心環状線(C1)が走っていますが、いまその都心環状線を地下に埋め込むプロジェクトが始まっており、2040年には、日本橋の上に青空が広がる予定だそうです。 【大雨・洪水】車内に備えておくべきもの3選。線状降水帯に注意!
■老朽化が進む首都高 日本橋のまちづくり検討とともに地下化へ
首都高速道路が開通したのはいまから62年前となる1962年のこと。当初は京橋から芝浦までの4.5kmでしたが延伸を続け、現在の総延長距離は約327.2km。これまで半世紀以上にわたって、首都高は日本の首都の経済発展を支え続けてきました。 ただ昨今は構造物の高齢化が懸念されており、全体の6割以上(約217km)が30年を超え、2割が50年以上経過している状況。過酷な使用状況もあわさり、疲労によるき裂やひび割れなどの損傷が発生しているとのことで、補修ではなく抜本的な対策が必要な状況となっています。
今回、地下化事業が始まっているのは、都心環状線の神田橋JCTから江戸橋JCTの区間。日本橋を含むこの区間は、国家戦略特区の都市再生プロジェクトとして、まちづくりの検討が進んでいたことで、「首都高日本橋地下化検討会」として発足、日本橋の区間を含む神田橋JCTから江戸橋JCT間が地下ルートで整備されることが決定したのです。
■かねてより撤去を求める声が多かった日本橋上空の首都高
日本橋上空に都心環状線が開通したのは、1963年のこと。ただ、日本橋の上を跨ぐように架けられた首都高速都心環状線は、文化財である日本橋の景観を損ねているとして、かねてより撤去を求める声が少なくなく、2015年には「日本橋地域の上空を覆う首都高速道路の撤去又は移設に関する請願書」が30万名超の署名とともに衆議院に提出されています。 東京都も「国際金融都市にふさわしい品格のある都市景観の形成、歴史は文化を踏まえた日本橋の顔づくり、沿道環境の改善など様々な効果が期待される」としており、地下化に期待する声が高まっていました。