日本橋が晴れ渡る?首都高速どう変わる?
ただ、巨額の工事費がかかることや、工事内容も難しくなること、またそもそも首都高によってそれほど景観が損なわれていると思わないなど、地下ルート化に対しては疑問視する声もあります。確かに、この日本橋上空の都心環状線は、1964年の東京オリンピックのために急ピッチで建設された、日本の急速な成長を象徴するような存在。これも立派な日本の歴史であり、それを景観が悪いという理由で否定してしまうのは、すこし違うような気もしますね。
■地下ルートの開通は2035年、日本橋に青空が戻るのは2040年の予定
ただそうはいっても、老朽化への対策は急務であり、交通状況の改善も見込めるほか、利用する側としては、走行性が改善することも期待されます。地下ルートの開通後は、江戸橋JCTの都心環状線連結路が廃止となり、八重洲線(Y)を利用することになるとのことで、江戸橋JCT周辺の渋滞緩和も見込めます。
現在は、地下の埋設物の移設や、2021年5月に廃止となった呉服橋出入り口や江戸橋出入口の撤去が進められている状況で、地下を走るルートは2035年に完成予定、その後既存構造物の撤去工事が始まり、日本橋川に青空が戻るのは2040年になる予定とのことです。 首都高が利用しやすくなるのは、ユーザーにとってうれしいこと。2040年の完成が非常に楽しみです。 Text:吉川賢一 Photo:首都高速道路株式会社、Adobe Stock