山田哲人が7年、中村奨吾が4年… 長期契約は球団にも選手にもハイリスクか
■5年契約中、規定打席に達しなかった陽岱鋼 過去に長期契約が話題になったケースとしては、2004年に平成唯一の三冠王を獲得した松中信彦(元ソフトバンク)が浮かぶ。05年にも本塁打と打点の二冠を獲得し、06年から日本人最長タイの7年契約を結んだが、成績は下降線をたどった。10年以降の3年間は規定打席に到達できず、15年限りでソフトバンクを退団。他球団での現役続行を模索したが叶わず、引退を決断した。 日本ハム時代の16年オフにFA権を行使した陽岱鋼は、5年総額15億円で巨人に移籍したが、故障や新加入の選手との競争で外野の定位置を獲得できず、移籍後は規定打席に到達したシーズンなし。日本ハム時代には盗塁王も獲得したが、巨人時代の5年間で計7盗塁と結果を残せず、5年契約が切れた21年に退団、今はファーム球団のオイシックス新潟でプレーを続ける。 坂本勇人(巨人)は今年が6年契約の最終年だった。109試合出場で打率.238、7本塁打、34打点と打撃不振に苦しみ、今オフの契約更改は1億円ダウンの推定年俸5億円で新たに単年契約を結んだ。 長期契約は失敗例が取り上げられやすいが、成功例もある。 近藤健介は日本ハムから23年からソフトバンクに7年契約でFA移籍。23年は本塁打、打点の2冠に輝き、今年は首位打者を獲得した。19年オフに7年契約を結んだソフトバンクの柳田悠岐も20、23年に最多安打を獲得するなど奮闘している。4年目から契約を見直すことになっており、今年は故障で長期離脱したため52試合出場にとどまり、オフに大減俸となる1億円ダウンの推定年俸4億7000万円でサインしたが、まだまだ主軸を張れる。 ほかにも現役選手では、則本昂大(楽天)が7年、宮崎敏郎(DeNA)、山崎康晃(同)が6年、源田壮亮(西武)が5年、昨オフに広島からFA移籍した西川龍馬(オリックス)が4年の長期契約を結んでいる。