なぜ森保Jは大量得点を求められた最下位ベトナム戦を1-0辛勝で終わったのか?
ベトナムに勝利してアジア最終予選を折り返した日本の総得点は「4」にとどまり、ベトナムと並んで、依然としてグループBの最少にとどまっている。ベトナムの失点が同じく最多だったからこそ、得失点差の争いになるかもしれない残り5試合を考えたときに、勝利だけでなくできるだけ多くのゴールが求められた一戦だった。 試合後に漂った不完全燃焼感の原因であり、特に後半に6度得たコーナーキックを含めたセットプレーから、まったくと言っていいほどゴールの匂いが漂ってこない。 「いくつかデザインした形はあったけど。改善しなければいけないとずっと思っているなかで、いまはどこをどうすればいいのかが見出せていない」 思わず表情をしかめた吉田は気持ちをあらためるように、遅延トラブルなど予期せぬハプニングを乗り越えてつかんだ勝利を努めてポジティブに受け止めた。 「若いうちの苦労は買ってでもしろ、とよく言われるので。勝てたことは確実にチームの血肉になるし、オマーンにも、上の2つにも確実にプレッシャーをかけられる。自分たち次第で今後順位を塗り替えられるところまで、やっと盛り返せたと思う」 ベトナム戦をはさんでサウジアラビアとオーストラリアが、そしてオマーンと中国がそれぞれ引き分けた。オマーンを抜いて3位に浮上し、オーストラリアには勝ち点1ポイント差に肉迫したものの、まだまだ崖っぷちに立たされている状況は変わらない。 日本時間17日未明のオマーンとの再戦で9月の借りを返さなければ、再び苦境に立たされる。しかも、敵地での大一番では守田が累積警告で出場停止になる。ホテルに戻ったチームは慌ただしく身支度を整え、ピッチ上に存在するさまざまな課題を抱えたまま、チャーター便でオマーンの首都マスカットへ飛び立った。 (文責・藤江直人/スポーツライター)