もっと使ってくれ…。日本代表で不遇の選手6人。層の厚さからなかなか出られていないのは?
もはや欧州でプレーする選手であることが当たり前となったサッカー日本代表では、各ポジションで熾烈な競争が展開されている。贅沢な悩みだが、これによってクラブで高い評価を得ている選手でも先発の座を掴むことは難しくなった。そこで今回は、直近の試合で出場機会に恵まれていない実力者を紹介する。※情報は10月22日時点。スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照
DF:菅原由勢(サウサンプトン/イングランド)
生年月日:2000年6月28日 24/25リーグ戦成績:8試合1ゴール0アシスト 日本代表におけるDF菅原由勢のポジションが危うくなっている。 昨季までオランダのAZアルクマールでプレーしていた菅原は、今夏の移籍市場でサウサンプトンへとステップアップを果たした。初めてのプレミアリーグながら、今季ここまでリーグ戦全8試合に出場している。 第3節ブレントフォード戦ではプレミア初ゴールを記録。サウサンプトンはリーグ戦未勝利と絶不調だが、菅原自身はイングランドで充実した時間を過ごしていると言って良いだろう。 しかし、クラブでの活躍とは対照的に、菅原は代表では厳しい立場に置かれている。一時は右サイドバック(SB)の一番手だった同選手だが、直近の5試合ではすべてベンチを温めている状況だ。 そのきっかけとなったのが、日本代表の3バック採用だ。 これによって菅原の本職であるSBのポジションが消滅。菅原は一列前の右ウイングバックでもプレー可能であるが、このポジションには高い攻撃性能が求められる。伊東純也や堂安律など、より攻撃的で突破力に優れたライバルとの競争に敗れ、出場機会を失うことになった。 10月シリーズを終えてクラブに戻った菅原だったが、先日行われた第8節レスター戦で相手から危険なタックルを受けて負傷交代している。大事になっていないことを祈りたい。
FW:中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)
生年月日:2000年7月28日 24/25リーグ戦成績:8試合5ゴール1アシスト 錚々たるメンバーが揃う日本代表のスカッドにおいて、FW中村敬斗はいま一番ホットな選手の一人だ。 9月以降、中村は所属するスタッド・ランスで凄まじい活躍を残している。リーグ戦5試合で5ゴール1アシストを記録。持ち前の高い得点能力を発揮している。 しかし、クラブでの活躍に対して、日本代表では十分な出場時間を与えられているとは言い難い状況だ。中村は、前田大然とともに三笘薫に次ぐ左ウイングバックの2番手争いをしており、直近の代表戦では70分や80分から途中出場するまでに留まっている。 フランスで絶好調のサイドアタッカーを、長い時間ベンチに置いておくことはあまりにもったいない。三笘という絶対的な存在がいることは承知の上で、中村の出場機会をもっと増やしても良いのではないだろうか。 事実、苦戦を強いられたオーストリア代表戦(1-1)では、中村の仕掛けが相手のオウンゴールに繋がった。日本は試合を通して押し込んでいたものの、なかなかゴールを奪えておらず、中村の自信みなぎるドリブルが試合の流れを変えたと言って良いだろう。 欧州最高峰のリーグでプレーする三笘薫と、活躍が止まらない中村敬斗。両者それぞれに異なる魅力があり、森保一監督にとっては嬉しい悩みだ。