18年間特大弁当を作り続けて亜希が気づいた、母親は「言うまで待とう、ホトトギス」
米は1人分2合がキホン
元モデルで現在はアパレルブランド「AK+1」のディレクターを務めながら、料理家やタレント、コメンテーターの仕事を器用にこなす亜希さんが、豪快な弁当レシピの本を出版した。 【写真】「弁当箱が空になっていればそれが返事。無駄な質問をするのは卒業しました」 その名も『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当~母ちゃんと息子2人、笑いと涙の18年の弁当記録~』(亜希 監修/ オレンジページ)。 豪快さでいえば、これほどのボリューム弁当レシピ本がこれまであっただろうか。 本書の頭には、「弁当トリセツ」5か条が記されている。 1 この弁当、育ちざかりの男子向けにつき。「ふたが閉まるのか? 弁当」1個=普通の弁当2個分。 2 はみ出してナンボ。 3 米は1人分2合がキホン。 4 キロ超え、上等。 5 包み方にも極意アリ。 亜希さんの現在大学生と高校生の息子さんは超硬派な運動部所属だった。朝練から始まり、授業後は毎日とっぷり日が暮れるまで部活。 週末も祝日も練習、練習、そして練習試合と大会。 そんな生活を支える高校生男子弁当は、どれくらいが適量なのか。 SNSには「我が家の息子が部活に熱中していた当時、男子弁当の本を見ては”これでは足りない””これも少なすぎる”……。あの時にこの本があれば!」 「全国の運動部所属の男子のお母さまを助ける、ガチでリアルに役立つレシピ本」 「重量級のお弁当、アスリート飯です」などと、運動部の子どもに特大弁当、大盛弁当を作ってきた経験者からの共感の声が集まる。 息子が運動部に所属する中高6年間、毎日2合の白飯を「おかずが少ない」と言われながら作り続けた筆者もその一人だ。
スーパー母ちゃんで居続けられるワケ
前編「亜希の”ふたはのせるだけ”特大弁当作り続けた『山あり谷あり』18年、息子ふたりの成長記録」では、18年間早朝から弁当を作り続けた亜希さんに、弁当作りがいかに大変で、いかに工夫を凝らす必要があったか、苦労話をお聞きするつもりだった。 だが返ってきたのは、「お弁当箱に詰める作業が好き」で「早起きが得意」なので、大変だと思うことはほぼなく、むしろ「お弁当づくりが楽しみで目が覚めちゃう」と、超ポジティブアンサーだった。 テレビで見るのとまったく変わらない、裏表のない笑顔と直球ストレートなアンサーに、さらに掘り下げて訊きたくなるのは、インタビュアーの悪い癖だろう。 本書はただの豪快山盛りカロリー弁当本ではない。これまで亜希さんがアスリートを支えてきた知識や経験、アスリートフードマイスターの資格を持ち、野菜を所望するようになった次男のために野菜で白飯が進む味付けの工夫だったりと、随所から学べるつくりになっている。 本当に「楽しい」だけで作り続けられたとするなら、スーパー母ちゃんで居続けられる秘訣が知りたい。 かつては日本中を沸かせた野球選手 清原和博氏を妻として支え、その後ふたりの息子さんを育ててきた亜希さんのこれまでは、平坦な道をスキップするようなラクなものではなかったはずだ。 それでも返ってくる言葉に辛さがにじまないのは、亜希さんがやらない言い訳を探すことなく、その時自分にできることを全力でやり続けてきたからだと、話を聞きながら感じた。後悔のない18年間の弁当生活をやり切ったからこそ、本気で「楽しかった」と言いきれるのではないか。 亜希さんのインタビューと、本書『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当』より特製だれをたっぷりからめた、冷めてもおいしい「山盛りしそ甘酢から揚げ弁当」をお伝えする。