介護付きシェアハウスのまちづくり、空き家活用で街を拡張中。見守り付き賃貸住宅やバー、クライミングジムなどに 「はっぴーの家ろっけん」兵庫県神戸市
街の人から本を寄付してもらう代わりにアーティストに無料で場所を貸し出し、地域の人に向けたイベントやワークショップを行ったり、地域の子ども達に講演と”勘違い”して利用してもらうなどオルタナティブ本屋として活動している。
スパイスのように多様な人や価値観が混じり合う場「丸五SpiceUp」
次に向かった丸五市場は、大正11年に誕生した市場で、阪神・淡路大震災の日、偶然定休日だったことから火災を逃れた。そのため、古き良き下町情緒が残されている。
商店街の中にある丸五市場にて、2024年4月、取材時には、Happyが運営する丸五SpiceUpを工事中だった(2024年11月1日にオープン予定)。
SpiceUpの立ち上げを任されたのは 、ろっけんのスタッフである宮本篤さん。宮本さんはろっけんに来るまで介護業界で働いた経験はなかったが、実際、やってみて、「介護は身近な仕事」だと感じたという。 「大変そうで自分には無理だと思う人もいるかもしれないけど、介護は特別なことじゃないです。例えば、少し遠くに物があると、近くにいる人に『ちょっと取って』と頼むでしょう? 手が届かない人がいて、僕が届くならとってあげる。手伝う程度に、大なり小なりあるけど、それを繰り返している感覚です」(宮本さん) ろっけんに来る前、タンザニアの農園と契約してクラフトチョコレートの工場を立ち上げた経験を買われ、丸五SpiceUpの立ち上げを任された。
「スパイスを使った美味しい料理に惹かれて来る方と、もともとのコミュニティの方とが触れ合えるお店にしたい。スパイスって単体だと面白くないですよ。何かと合わさって真価を発揮するもの。スパイスの力を皆に発信しつつ、いろんな人が気軽に集まれるような場所をつくりたいです。自分の中のバランスを取りながら、介護の仕事や料理の提供など、多角的な活動をしていきたいと思っています」(宮本さん) 街歩きをしながら、暮らしやすい街とは? と考えた。家以外にも自分の居場所があり、そこで出会う人がいる。顔見知りがいて、繋がり合える街。Happyが、現在、取り組んでいる事業は、10以上もあるが、「全て、空き家再生事業の一環。街を面白くする取り組み」と首藤さんは話す。今後、3年間で500戸の空き家活用を目指している。3年後の街をまた歩いてみたくなった。 ●取材協力 ・株式会社Happy ・首藤義敬
内田優子
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