介護付きシェアハウスのまちづくり、空き家活用で街を拡張中。見守り付き賃貸住宅やバー、クライミングジムなどに 「はっぴーの家ろっけん」兵庫県神戸市
多世代、多様な人が集うろっけんのリビング。
首藤さんは1985年に神戸市長田区で生まれた。一度地元を離れたが、2008年に家族と共に戻り、遊休不動産の活用事業および地元・神戸市長田区を中心とした空き家再生事業をスタートさせた。その背景には、小学校3年生の時に経験した阪神・淡路大震災がある。 「街は、一瞬でめちゃくちゃに壊されました。震災後、お金をかけて再開発され、次々とビルが建ったけど、人は戻ってこなかった。街はきれいになったけど、人の繋がりが形骸化されてしまったのかもしれません」と振り返る。 「もともと、長田区には、外国の人やマイノリティの人がたくさん住んでいて、外からは近づきにくい街と思われていたかもしれません。今は、シャッター商店街で、若者も少ないです。しかし、裏を返せば、使える余白がたくさんあり、すごいダイバーシティだと思っています。ハッピーに生きるには、他者との関わりが大事。介護も子育ても個人でできることは限界があるから、街の中にコミュニティをつくっていきたいんです」(首藤さん) 不動産事業、介護事業に加え、医療事業、教育事業など運営する事業は多岐にわたり、兵庫県の住宅確保要配慮者居住支援法人としての指定も受けている。 ※住宅確保要配慮者居住支援法人/住宅確保要配慮者(低額所得者、被災者、高齢者、障がい者、子どもを養育する者、その他住宅の確保に特に配慮を要する人)の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、家賃債務保証の提供、賃貸住宅の情報提供・相談、見守りなどの生活支援等を実施する法人として都道府県が指定するもの 最近では、ろっけんの半径車で10分以内の空き家になっていた一軒家やマンションをリノベーションして「HANARE」という高齢者や障がい者の見守り付き賃貸住宅を提供している。現在運営しているのは、全部で20戸ほど。看護師や介護士が関わりながら、見守りサービスや食事の提供を行っている。「HANAREは、一石三鳥の取り組み」と首藤さんは話す。
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