「手軽」なデジタルツインでインフラ設備点検をDX、CalTaに多分野が注目
JR東日本で長年にわたり鉄道を中心とするインフラマネジメントに携わってきたスペシャリストたちが、2021年7月にスピンオフしてスタートアップ企業CalTa(カルタ)をつくった。 【画像】CalTaのデジタルツインプラットフォーム「TRANCITY」 設備点検のDX(デジタルトランスフォーメーション)実現のために、ドローンやロボットを活用して狭小空間に入り込み、3Dデジタルデータを構築する独自性豊かな事業について、創業期から深くかかわってきたCTOの高見澤拓哉氏と、COOの井口重信氏に聞いた。 ■JR東日本からスピンオフしたCalTa 2021年7月、CalTaはJR東日本スタートアップとJR東日本コンサルタンツ、室内点検用ドローンの開発に長けたハードウェアメーカーのLiberaware(リベラウェア)の3社が出資するスタートアップ企業として起ち上がった。 代表取締役CEOの髙津徹氏を中心に、JR東日本で建設プロジェクトのDX推進を行うとともに、事業戦略策定に深く関わっていた現COOの井口氏やCTOの高見澤拓哉氏など、鉄道インフラを中心にインフラマネジメントに携わってきたスペシャリストがCalTaに集まった。 1950年以降の高度成長期などに多数建設された日本の鉄道インフラは、いま深刻な老朽化を迎えている。さらにその保守点検にかかる負担も日々膨んでいる。過酷な労働環境の中で働くエキスパートの人材確保、データを記録した資料を紙ベースで管理する体制のDX推進といった各所で課題が顕在化する中、CalTaはさまざまなデジタルの先端技術を駆使して「デジタルのチカラで、持続可能なインフラ創造に貢献する」ことをミッションに掲げた。 そこで大勢の労働力が求められる仕事、あるいは人が現場まで足を運ぶ必要がある仕事の負荷を軽くして、可能な限りの効率化を促進するためにCalTaはデジタルツインプラットフォーム「TRANCITY(トランシティ)」の開発・社会実装と「現地映像取得サービス」の提供という2つの柱を立てた。 これら2つの柱により、CalTaは「どんなカメラでも、撮影した動画から高精度な3Dデータをつくる技術・サービス」を包括的に提供することができる。これが同社の強みだ。