阪神・佐藤輝明の二塁起用は”あり”なのか…開幕2週前の異例テストに賛否
スポーツライター駒沢悟氏の取材によると、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた大御所の広岡達朗氏は、「コロコロと守備位置を変えるのは言語道断。ライトならライト、サードならサードで固定して起用すべき。守備力もアップしないし打撃にも影響がある」と反対の意見。 ネット上でも「なぜキャンプからやっておかないのか?」「役割が多いことで打撃に負担かかる」「守備軽視だから失策が減らないのだ」「慣れないことをこの時期にやって怪我でもしたらどうなるのか?」などの批判意見も散見した。昨季の阪神のチームエラー数「86」はセ、パを通じてワースト。「そもそも攻撃優先型のシフトを考えることが間違っているのだ」という意見も一理ある。 また、この日は、糸原を三塁、大山を一塁で起用していたが、「三塁・糸原、二塁・佐藤の起用では意味がない」との声もあった。 一方で「佐藤・二塁のオプションはあり」と矢野采配を支持する意見もある。 阪神OBで巨人、楽天、西武などで“参謀“を務めた経験のある現在BCリーグの新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏は賛成派だ。 「矢野監督が言うように長いシーズンを考えると、いろんな選択肢が必要になってくる。たとえば、超攻撃的に布陣を組みたいとなると、二塁のポジションが穴になる。そこを佐藤が守れるのならば、ラインナップを組む上での幅が広がる。二塁・佐藤、三塁・大山、ショート・中野、一塁・マルテ、左翼・ロハス、中堅・近本、右翼・糸井でもいい。矢野監督が好む足のある選手を使うための布陣であれば、佐藤に二塁を守らせる意味はないと思うが、ペナントの流れ、打線の調子や選手個々の調子を見ながら状況を変えるための起爆剤にもなれる。難しい打球は飛んでこなかったが、佐藤は器用さを感じさせる選手。彼に二塁のできるスキルがあるからこそ可能になる面白い選択肢ではないか。今の段階で試しておく意義はあっただろう」 シーズンには必ず打線全体がスランプに陥る時期がくる。その打開策のひとつに多少の守備力の低下に目をつぶって超攻撃的布陣を組むプランはありだろう。矢野監督は、昨年、マルテ、サンズ、ロハスの外国人3人を打線に並べたこともあった。もし「佐藤・二塁」の選択肢があればオプションは増える。「備えあれば患いなし」である。発想そのものはキャンプが終わってから出てきた思いつきだったのかもしれないが、たとえ開幕2週間前であってもオープン戦でのテストは「あり」だろう。 佐藤が将来的にコンバートするのであれば三塁だろうが、過去には、三塁が本職のスラッガーがプロで二塁へ挑戦した例は少なくない。