“隠れV候補“の横浜DeNAがパ覇者に大敗で露呈した光と影…”番長”三浦監督が「この時期でいい試合だった」と語った理由とは?
横浜DeNAが5日、本拠地の横浜スタジアムで、昨季パ覇者のオリックスとオープン戦を行い1-12で大敗、OP戦5戦目で初黒星を喫した。オリックス先発“沢村賞投手”山本由伸(23)から電光石火の4連打で先制点を奪うも、先発したルーキーの三浦銀二(22)をはじめ繰り出した8投手のうち7人で計13四死球を与える大荒れ自滅パターンで12失点。チームが抱える光と影が浮き彫りとなる試合となった。
「課題がぎっしり詰まった試合」
試合後の三浦監督のコメントがすべてを物語っていた。 「課題がぎっしり詰まった試合だった。今までよくできていて、シーズンに入れば、こんなにうまくいくとは限らないという話をしていたが、逆にオープン戦でこういうのが出て良かった。これを明日からどう生かすか」 ここまで練習試合、オープン戦で、6勝1敗1分と絶好調だったが、昨年のパ・リーグ覇者のオリックスを相手に1-12と大敗した。 この日、登板させた8人のうち、田中健を除く7人が計13四死球の制球難。そこに2桁安打が絡めば、大量失点になるのも無理はない。 三浦監督は「キャンプで取り組んできたことと正反対なことをやれば、ああいう流れになる」と嘆いた。 キャンプでは、新任の斎藤隆投手コーチが音頭を取って「ストライクゾーンで勝負する」という意識を投手陣全体に植え付けてきたが、そのテーマに反する結果となってしまった。まだオープン戦の5戦目だから、投手によっては、細かい制球力を詰める時期ではない。そこが、ひとつ裏目に出たのだろうが、連鎖してしまったのは問題だった。 先発チャンスをもらった法大出のドラフト4位ルーキーの三浦銀二はプロの洗礼を浴びた。2回を投げ切ることができずKOされ、OP戦では異例の途中降板となった。指揮官曰く「オセロの白と黒」のような1回と2回。 立ち上がりは好スタートを切り、二死一塁からは、昨季のパの本塁打王、杉本を三球三振に仕留めた。インサイドを果敢に攻めて最後もインハイに141キロのストレート。“オリのラオウ”のバットは空を切った。 だが、2回に先頭の宗にライト線を破る二塁打を許すと様相が一変した。ストライクを取ることに苦労するタイプには見えなかったが、警戒しすぎて太田を歩かせると、続く野口に対しても、バントから強行に切り替わった段階で、三振を狙いにいき、チェンジアップを多用したせいで、逆にストライクゾーンが狭くなり連続四球。無死満塁のピンチを背負った。 若月は見逃しの三振に斬ってとったが、セットポジションにになると球威も低下して、来田にボール気味のチェンジアップを拾われて、同点にされると、動揺を隠せず、トップのルーキーの渡部には、1球もストライクが入らない。「四球のあとの初球注意」の原則を忘れ、安達に力のないストレートを左中間に運ばれ、走者が一掃し、スコアボードに5点が入ったところで三浦監督が交代を告げた。