不登校者30万人の現実、“第3の居場所” フリースクールで学ぶ「社会を生き抜く力」とは?
“自分らしく”いることが自信になり、その居場所をつくることが成長に繋がる。さまざまな理由で“不登校”を選んだ子供たちが集う「フリースクール」。自由な校風で過ごす時間には、彼らが大人になったときに“一番欲しい力”を学べる仕組みが取り入れられていた。
社会で必要な力を学ぶ、小中学校でも家でもない“第3の居場所”
愛知県岡崎市にあるフリースクール「大地の学校・ロータス」。さまざまな理由で“義務教育に馴染めなかった子供たち”が、小学2年から高校2年まで40人通っている。文科省によると、不登校の小中学生は年々増加。昨年度の小中学生は、過去最多の29万9000人超となった。
“自分がその日、やりたいことをやる”ことが、ロータスの方針。決まった時間割もなく、壁に設置された「やりたい!掲示板」には子供たちが“やりたい!”と思いついた様々なアイディアが掲示されている。「海で魚を釣る」、「シュノーケリング」など掲示された“やりたいこと”は様々。その一つ一つに対して、子供たち自らが出来る方法を考え、行動し、仲間と一緒に実現していく。“やりたいことを自分自身の力で実現する”こと、それがロータスの授業なのだ。
ロータスの好きなところについて尋ねると、「自分がやりたいことをやれること」、「(授業内容が)学校みたいに決められていない部分が、一番いい」など楽しそうな表情で語る子供たち。ザリガニ釣りをしたい子は用水路へザリガニを探しに出かけ、野菜作りがしたい子は種まきから収穫までを体験する。
子供たちの主体性を最優先した校風について、「大地の学校・ロータス」代表・今井真央さんは「自分で考えて、自分で行動するというのが一番の理念。今後、社会はどんどん変わっていくが、“考える力”は子どもたちの将来に必ず必要になってくる。自分自身の経験を通しても、そう感じる」と語る。最近では、フリースクールの学びを学校の出席として扱うケースも増えている。考える力を学ぶ場所、そして小中学校でも家でもない“第3の居場所”として、ロータスは子供たちの社会に存在しているのだ。