不登校者30万人の現実、“第3の居場所” フリースクールで学ぶ「社会を生き抜く力」とは?
子供たちが生きていく“居場所”をつくってくれた
フリースクールの存在が、家族団らんの雰囲気に明るさをもたらすこともある。「ロータスが子供たちが生きていく場所を作ってくれるのが分かる」と話すのは、3人の子供を育てる細井恵巳子さん。恵巳子さんのお子さんは、小学6年生の長女・咲希さん、小学2年生の二女・咲恵さん、小学4年生の長男・瑛太くんの3人きょうだい。1年前から3人全員が、ロータスに通っている。咲希さんと瑛太くんは人付き合いが苦手、咲恵さんはアトピーがひどく休みがちのまま不登校になったという。
幼い頃から集団行動に馴染めず、小学1年生の頃から不登校になった長女・咲希さん。カウンセラーの先生に発達の検査を勧められ、検査の結果、「自閉症スペクトラム」と診断された。“このまま家にいて、この先、子供たちが生きていける場所があるのだろうか…”そんな心配を抱えるなか、見つけたのが「大地の学校・ロータス」だった。ロータスに通うようになってから、子供たちにも笑顔が増え、家庭の雰囲気も明るくなったという。
“やりたいことは自分の力で実現” フリーマーケット出店に挑戦
咲希さんには今年の夏、“やってみたいこと”があった。それはフリーマーケットへの出店だ。販売する商品は、咲希さん手作りのミニチュアのメロンパンやケーキなどお菓子の小物。手先が器用な咲希さん、慣れた紙粘土で土台を作り、慣れた手つきでヘラなどで繊細な模様をつけていく。
出店のキッカケを作ったのは、ロータス代表・今井さん。出店に経緯について、「例えばモノ作りが好きな子だったら、モノを作って終わりだと思うんですけど、そこからさらに一歩踏み込んだら、“これって売れるんじゃないの?”と。売る方法を探してたら、知り合いが“マーケットをやるけどどう?”と誘ってくれて。子ども達に出店の話をしたら、“やろう!”という話になった」と話す。 咲希さんのほか、瑞樹くんも手作りメッセージカードを作って出品することに。マルシェ出店の準備は、ロータスの方針「やりたいことは自分の力で実現させる」に沿って、子供たちが中心となって進行。咲希さんをはじめ、子供たちにとって新たな挑戦が始まった。