木村拓哉さん主演ドラマ「Believe　君にかける橋」で崩壊した「龍神大橋」は志摩パールブリッジ（撮影＝泊正徳）

　4月25日放送のテレビドラマ「Believe　君にかける橋」で崩壊した「龍神大橋」は、志摩市内に架かる「志摩大橋」通称「志摩パールブリッジ」を封鎖して3月20日～22日の3日間、撮影されたものだった。（伊勢志摩経済新聞） 【写真】【その他の画像】木村拓哉さん主演ドラマ「Believe　君にかける橋」で崩壊した「龍神大橋」は「志摩パールブリッジ」 　ドラマでは、橋造りに情熱を燃やす大手ゼネコンの土木設計部長・狩山陸を木村拓哉さんが演じている。第1回放送では、龍神大橋の建設現場で橋を支えるワイヤが外れて爆発し、橋が崩壊する設定。現地での撮影には木村さんのほか、竹内涼真さん、一ノ瀬颯さんらが参加。参加したエキストラは3日間で延べ約150人を数えた。 　志摩市志摩町和具地区の和具浦に架かる志摩大橋は、真珠養殖盛んな英虞湾の入り江に架かる。真珠をイメージした薄くピンクが入る白色のアーチと桁との間をワイヤで結んだニールセンローゼ橋で、アーチ部分が内側に入るバスケットハンドルタイプ。支間長232メートル、最大高さ34メートル、幅員17.5メートル、有効幅員12.5メートル（車道7.5、歩道2.5メートル×2）、鋼重3392トン、橋長582メートルで2005（平成17）年10月10日に開通。 　橋の部分はJFEエンジニアリング津製作所（津市）で造り、3500トン積の輸送台船に載せて海から伊勢湾、太平洋、英虞湾を経て現地まで運搬し、海面の潮位の差を利用して設置する台船による一括架設工法で造られた。工事中に、2006（平成18）年4月公開の映画「小さき勇者たち～ガメラ～」のロケが行われ、ガメラ（トト）と怪獣ジーダスが橋の上で暴れ橋の上のアスファルトがめくれるなどのシーンが撮影された。地元では「渡り初めはガメラ」と言われている。 　エキストラで参加した男性は「当日は暴風と厳しい寒さの中、時には雨やひょうも降る荒れた天気だった。雨がやみ英虞湾に架かる虹を見て、木村さんが『雨が降らなきゃ虹は出ないからね。だから虹が出たってことは、この雨も終わりってこと』と言って現場を和ませてくれたのがとても印象的だった。木村さんは現場から離れることなく、悪天候の中でもキャストやスタッフに積極的に声をかけて明るい雰囲気を作ってくれていた。木村さんのインスタでも話題になっていたが、竹内さんはプライベートでも志摩に遊びに来ることがあるらしく、お気に入りのピザ屋さんに木村さんを招待していたようだ。ドラマを見て映像の合成技術のすごさに驚いた」と話す。 　志摩大橋の道路使用許可などの手配をした伊勢志摩フィルムコミッションの天白あかねさんは「撮影期間中に封鎖できる橋についての問い合わせが今年の年明けにあった。全国のいくつかの橋が候補になっていたらしいが、海に架かるつり橋などの条件に合致し、志摩大橋を選んでいただいた。ガメラの時にはまだ開通していなかったのでそれほど問題はなかったが、道路の封鎖については、警察や自治会、橋の持ち主である三重県などと協議し、生活道路であること、安全面などを考慮し、住民にも周知するなど対応し、緊急車両が通行できるように片側1車線を通行可能な状態で撮影してもらうことになった」と打ち明ける。 　ドラマの中では東京都の江戸川区葛西に建設する橋という設定で、設計変更になったV字形状はCGによるもので、実際の志摩大橋にはない。 　天白さんは「今回は急な撮影の依頼だったが、各関係機関、住民の協力があって撮影できた。伊勢志摩での映画やドラマの撮影の相談は、いつでも承る」とアピールする。