不登校者30万人の現実、“第3の居場所” フリースクールで学ぶ「社会を生き抜く力」とは?
日本の学校スタイルに馴染めず、フリースクールを選択
不登校を選ぶ理由は、子供たちによってさまざまだ。「このTシャツ、アメリカで買ってきたの!」と元気よく話しかけてきた、小学4年生の稲吉瑞樹くん。とても活発な性格で、両親の仕事の都合で幼少期からアメリカで生活。帰国後、日本の小学校の環境に馴染むことができず、不登校となった。 馴染めなかった理由について、瑞樹くんは「何が嫌って起立って言って、休めって言って、イスに座っていいのかなと思って座ったら、みんな立ったままだった」と話す。日本のスタイルが合わず、自分に合う居場所を探した結果、ロータスにたどり着いたという。
ある晴れた日、瑞樹くんと今井さんが一緒に向かったのは、近所の知り合いの竹林。「やりたい!掲示板」に瑞樹くんが掲示した、“流しそうめんがしたい”という目標を実現するためだ。やりたいことは自分の力で実現させることがロータスの方針。今井さんが見守るなか、汗拭き用のタオルを首にかけた瑞樹くんが、ノコギリで大きな竹を切っていく。
作業は必要なときだけ、大人がサポート。伐採した竹を縦にカットしていく力仕事に差しかかると、竹がカット出来ず苦戦する瑞樹くんのもとに自然と仲間たちが集合。瑞樹くんが力を入れやすいよう、竹が動かないように支えるなど仲間同士で助け合う姿も見られた。 切り口を綺麗に整え、中の節も丁寧に取り除き、ついに流しそうめん台が完成!手作りの台で、おいしそうに流しそうめんを頬張る瑞樹くんと仲間たち。「めっちゃおいしい!(流しそうめんの)企画は大成功!」と満面の笑みを浮かべる瑞樹くん。そんな瑞樹くんの姿に、今井さんも流しそうめんを食べながら、嬉しさを滲ませていた。
瑞樹くんの母・有雅里さんは、ロータスの校風について、「まずは見守り、必要な時だけ助けてくれる。この子(瑞樹くん)には、きっとこういうスタイルの方が合っているのだと思う」と話す。続けて「“自分らしさ”を実現できる場が、自信に繋がっていると思う」と、ロータスの校風と瑞樹くんの相性の良さについてふれた。 しかし、“自分らしさ”を求める一方で、勉強が後回しになってしまう不安も抱えている。「私も(勉強しなさいと)色々言ったりしているんですけど、本人が困らないと勉強をやらない。どこまで待っていいのか…、その見極めが苦しいところ」と、自由の許容範囲について考えていた。