5歳の息子の「を」の読み方に衝撃受けて→それを家族に伝えたら…四面楚歌 専門家に聞いた「を」の発音傾向とは?
これから「を」の読み方はどうなっていくのか?
――投稿主さんのお子さんは、読み方を学校で学んだとのことでした。 都道府県によって発音が違っていることは、やはり仮名遣いに対応するための「教育の力」ではないかと想像します。 たとえば、「を」に呼び名がある県があります。「くっつきのo」、「下のo」、「かぎのo」、「重たいo」、「腰曲がりのo」、「小さいo」、「難しい方のo」など。こうした呼び名があるということは、「を」と「お」が同じ読みになっているからです。そして、こういった呼び名のない県では、「を」を[wo]と読むことで、「お」と区別したと考えられます。 ――なるほど、発音がどちらも[o]の県には「を」に呼び名が! 私が以前、新聞などで「『を』を[wo]と読むのは『方言』だ」と発言した時、東京都、神奈川県、茨城県、九州地方、静岡県、愛知県、長野県などの方から、「『を』は[wo]に決まっているのに何を言っているんだ」という批判がありました。しかし「を」=「重たいo」と呼び名がある栃木県の方からの批判はありませんでした。 「『を』はワ行のオ段なので、[wo]である」というのは理論上は正しいので、そのように小学校や親から教わればそう身に付くでしょう。現在、日本全国で、何割の人が「を」=[wo]なのか、私は調査していませんが、東京都、神奈川県などには「を」の呼び名がありませんから、「を」=[wo]と読む人は増えていると予想します。そっちが多くなっていくかもしれません。 ――「を」のアルファベット入力の影響はいかがですか? 「を」を打ち出すために「w」「o」を打つことで、発音もそうであると思う人がいても不思議はありません。ただし、香川県出身で「を」の発音が[o]の私は、「w」「o」と打ち続けていますが、発音は[wo]になったりしません。変化を促すというより、「を」=[wo]と身に付けた人にとって“これが正しいのだ”という根拠になっているのではないかと思います。 ――この先も「を」には「o」と「wo」の発音が混在していくということですね。 現代仮名遣いは、今後も「を」と「お」とを使い分けますから、これへの対応は継続すると思います。「を」の呼び名がないところでは、「を」は[wo]だと習得している先生はそのように教えていくでしょう。そうすると、先程述べたように、「を」=[wo]の日本人は増えていくのではないでしょうか。 ◇ ◇ 今回の投稿に、 「私は東北出身で旦那の地元の長崎県に住んでいますが、子供たちが小学校で「を」を「うぉ」と習ってきていたので、「お」と区別するためにかな?令和になって指導法が変わったんだなとか思ってました」 「母に『うぉ』と教えられましたが神戸で育ったので幼稚園で『お』と習いました。母は佐賀出身でした。長い間の疑問が解けました」 「おもしろいですね!woと思ってました~ 『これを』って喋るときは①koreo ②korewoどちらなのでしょう?ちなみに私は②です。じつは『お』が少数派なのでは…?」 「名古屋育ちの俺ですが、マジで?と思って嫁に聞いて見たらやはりウォやったw長崎もそうらしいw」 「宮崎出身ですがをはwo(うぉ)だと思っていました」 など、ご自身や家族の「を」発音と比較したコメントが続々。やはり出身地によって2つに分かれるようです。 筆者(岡山県出身)も「を」→[o]の発音なので、大江さんの投稿に「佐賀では[wo]!?」と驚いたのですが、佐藤名誉教授のお話を聞き、「を」に呼び名があったり、[wo]の発音の人が今後も増えていくかもしれないという見解が非常に興味深かったです。現に大阪で育っている子どもたちに聞いてみると二人とも「『を』は[wo]って読むに決まってるやん!」との回答が。 ひらがな1文字にも長い歴史があり、使い方は同じでも日本中あちこちで読み方に違いがあるのも面白いですね。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)
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