樋口恵子と下重暁子が<高齢期からの不眠>について考える。下重「50歳すぎから40年近く精神安定剤を。多少の副作用があっても、私は…」
◆若い頃よりも寝つきがいい 下重 本来、精神安定剤をあまり長期間飲み続けるのはよろしくないようですが、眠れないことのマイナスを考えると、多少副作用があっても、私は眠れるほうを選びたい。それに今のところ、とくに副作用は出ていないようです。 お医者様と相談して、規定量の半分から始め、今は1錠。この間みたいに2日続けて眠れないなど特別なときは、2錠飲むこともあります。おかげさまで88歳で仕事ができてますし、私には合っているのだと思います。樋口さんは、眠れないなんてことはありますか? 樋口 ありがたいことに、コトンと寝ちゃいます。若い頃より、むしろ今のほうが、寝つきがいいですね。忙しさの極みでなにかとストレスが多い時期は、夜になっても脳が休まらず、夜中に目が冴えてしまうこともありました。そこでたま~にですが、睡眠導入剤のお世話になったこともあります。 今は、同じベッドで寝てくれる猫が、なによりの睡眠導入剤です(笑)。撫(な)でていると気持ちよくて、あっという間に眠くなります。
◆猫4匹との暮らし 下重 あらぁ~、今も猫を飼ってらっしゃるのね。うらやましい。私も昔は、獣医さんの家で飼い主を待っていた猫や、うちの近くでよろよろしていた猫と暮らしていましたが、その猫たちを看とった後は地域猫とつき合っています。猫は1匹ですか? 樋口 4匹です。そのうちの2匹はもう高齢なので、最期までつき合えそうだし、後の2匹は同居している娘が面倒を見てくれるでしょう。夜は、私のベッドの左右に1匹ずつ寝ていることもあれば、3匹ベッドにやってくることも。冬なんか、あったかいですよ~。ただ寝ている間に猫に遠慮してしまい、ベッドから落ちてしまったことがあって。 下重 私も同じ経験があります。だんだん押してくるのよね。 樋口 今は介護保険でベッドに手すりをつけ、それが柵がわりになっているので安心です。 ※本稿は、『90前後で、女性はこう変わる』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
樋口恵子,下重暁子
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