東証社長「2日は通常売買できるよう準備」 終日売買停止は「装置故障が原因」
システム障害で全銘柄の取引を終日停止した東京証券取引所の宮原幸一郎社長ら幹部が1日、記者会見し、冒頭「本日、私どもの売買システムの障害により、終日売買を停止することとなり、多くの市場参加者、投資家に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。真に申し訳ございませんでした」と述べ、深く頭を下げた。 【動画】システム障害で終日取引停止 東証が記者会見
売買システムで故障
その後、宮原社長が「本日朝7時4分に売買システムの(共有)ディスク装置の(メモリー)故障が発生し、相場情報配信業務や、売買監視業務に異常が発生した。これにより株価等の相場情報が正常に配信できなくなった。システムの再起動については、それを行った場合、投資家、市場参加者に混乱が生じることが想定され、内外の市場参加者と協議したところ、本日再開をした場合、十分な顧客対応や円滑な売買の実施が難しい、との要請があり、終日売買停止することとした」と売買停止となったいきさつを説明した。 また、故障したハードウェア交換作業を実施する予定であるといい「明日は通常の売買ができるよう準備を進めている」と語った。
宮原社長「責任を痛感」
記者から経営責任について問われた宮原社長は「市場を預かる者として責任を痛感している」と述べ、改めて謝罪。その上で「JPX(日本取引所)グループ全体として原因の徹底的究明を行い、その上で再発策の万全を期す。その上で、経営の責任の明確化を示していきたい」と語った。
サイバー攻撃は否定
サイバー攻撃の可能性について東証側は「ここ(故障個所)が直接外部とつながっていない」「取引所の各ネットワーク全般に対して、常時リアルタイムで例えばDDos攻撃等についての監視は行っており、そうしたところで異常は検知していない」と説明し、否定した。
◇ 東証は1日夜のリリースで、市場再開に向けた準備は問題なく進んでおり、2日の取引は「通常通り売買を行う予定」だと発表した。