デュープ文化 が美容ブランドに与える影響。コピー品に対するブランドのさまざまな対応:Beauty &Wellness Briefing
フレグランスブランド、ドシエの主張
デュープカルチャーを恥じることなく受け入れているブランドもあれば、それをほのめかすアプローチのブランドもある。堂々と受け入れているブランドには、フレグランスブランドのドシエ(Dossier)がある。他社の香りを参照した製品名で、デザイナーやラグジュアリーのフレグランスのコピー製品を29~49ドル(約4300~7300円)で販売している。ベストセラーには、ル ラボ(Le Labo)のサンタル 33(Santal 33)から「インスピレーションを得た」ウッディサンダルウッド(Woody Sandalwood)や、バカラ ルージュ 540(Baccarat Rouge 540)をコピーしたアンベリーサフラン(Ambery Saffron)などがある。ドシエによると、顧客は約20~35歳と若く、ほとんどが女性だ。D2C eコマースサイトとウォルマート(Walmart)で販売されており、2024年には数は未定だが、D2Cブティックをオープンする予定がある。ドシエは、TikTokやYouTubeのコンテンツクリエイターへのアフィリエイトに注力したギフティングを通じて大幅に宣伝している。同社の共同創業兼CEOのセルジオ・タケ氏は、香水の利益率がほかの美容製品よりも一般的に高く、原液は商標登録できないという会話から創業4年のドシエが生まれたと語っている。また、タケ氏は、原液の製造コストは通常わずか数ドルであり、高価な有名香水の安価なバージョンを提供してもドシエにはかなりの利益があるのだと述べている。 「デュープカルチャーのトレンドを意識していたわけではない。(素晴らしい製品、)特に香水を、手頃な価格で提供しようしただけだ」とタケ氏。「それが当社のノーススターであり、デザイナー香水やラグジュアリー香水にインスピレーションを得て香水を作っていることを隠してはいない」。 タケ氏は、「デュープ」という言葉を受け入れるのは絶妙なバランスだと語っている。なぜなら、ドシエは高品質のフレグランスで全体的に知られるようになりたいと願っているからだ。同社は、2022年にローンチしたドシエ・オリジナルズ(Dossier Originals)というオリジナル製品も提供している。タケ氏によると、オリジナルのフレグランスを作るという意欲はさらにユニークな製品を提供したいという思いから生まれたという。コピーブランドも自社がコピーされるのはやはり望んではいないのだ。ほかのデュープフレグランスブランドには、アルト(Alt)、オークチャム(Oakcham)、パーフェイム(Perfame)などがある。ドシエは、2024年を通じて機能性フレグランスを含むオリジナルコレクションを拡大する予定だ。Inc. 5000の2023年版米国の急成長中の企業リストで、ドシエは31位にランクインしており、2020年から2023年のあいだに収益が1万パーセント以上増加している。ヨットポ(Yotpo)のケーススタディによると、ドシエのSMSテキストメッセージは総売上高の20%を推進しているという。