「誰もが他人を傷つけずに自分らしくあるべき」――イタリア発Z世代ロックバンド「マネスキン」が打ち破るタブー #なぜ話題
誹謗中傷は、面と向かって物が言えないから当たり散らしているだけ
4人はZ世代と呼ばれる自らの世代をどう捉え、SNSとどう付き合っているのか? ダミアーノ:新しいものに対して恐怖を感じないオープンな世代かな。そして携帯電話があって当たり前の世代。でもSNSにはアルゴリズムがある。SNSから見えるのが世界の全てだと思いがちだけど、実は“井の中の蛙”かもしれないと思う時があるよ。 トーマス:本も読んで学ぶほうがいいね。SNSのコメント欄を見ると誹謗中傷もたくさんある。そりゃ正当な批判や建設的な意見なら「なるほど」と思うけど、ただの悪口なんて何の意味もない。「何でこうなるんだ?」と首を傾げることもよくあるね。
ヴィクトリア:誹謗中傷って、大抵は嫉妬深い人や自分に自信を持てない人が、面と向かって物が言えないから当たり散らしているだけでしょ? そこは世代ではなく価値観の問題じゃないかな。いずれにせよ二十歳そこそこの若者に大人が悪態をつくほど哀れなことなんてない。TikTokを開くと、たまに50代の人が「不届き者!」とか書いていて、「マジで!?」って思っちゃう。自分の父親が必死な顔でTikTokに悪口を書き込んでいる姿なんて、想像しただけで最悪でしょ? 自分が正しいと思うことを信じて、悪意には耳を貸さない。大事なのは私たちのことを大切に思ってくれている人たちだけ。「マネスキンと出会って人生が変わった」といったファンからのメッセージを読むと本当に感動する。
「ロックな生き方」とは?
彼らの音楽やビジュアルには1970年代のロックが放っていたグラマラスな匂いがある。当時、人気を博したアーティストにはドラッグとの深い結び付きから退廃的なイメージを醸し出していた者や夭折した者もいたが、マネスキンの4人はクリーンで、フレンドリーだ。来日中、街中でファンに出会うと快く記念撮影に応じていた。 ダミアーノ:ドラッグをやってたりハチャメチャだった人が行きつく先って、見た目も話し方も変で、とても見られたものじゃない。僕らはそれを最初から知ることができた世代だし、最後までかっこよくいたいから、そういう道には行かない。 トーマス:世界中をツアーで回るとストレスもたまるけど、僕らはそもそも友だち同士でいつも支え合っている。そこも道を外さずに済んでいる理由だね。