“コロナ慣れ”の第3波 専門家が語る「いまなすべき対応」は
「最悪のシナリオ」示すのも政府と専門家の責務
11都府県に拡大された今回の宣言は、期間は2月7日までとなっている。広範囲に社会経済活動を止めた前回の宣言時では、期間を結局1か月近く延長し、解除までに2か月弱かかっている。首都圏や都市部での感染拡大の勢いが止まらない中、今回は1か月で緊急事態から脱することはできるのか。 宣言の延長について、菅首相は7日の会見で「仮定のことについては私からは答えは控えたい。とにかく1か月で何としても感染拡大防止したい」と述べるにとどめた。 この日の会見で、今後より強い休業要請などの措置を取る可能性について問われた尾身会長は、いまの対策の効果を適宜評価した上で「ベストケースの場合」と「最悪のケース」を想定する必要があると述べ、「仮に最悪の場合は、時短よりももっと強い休業要請も選択肢としてはあり得る」との見方を示した。 首相会見の後に行われた西村康稔(やすとし)経済再生担当相との会見の場でも、出口戦略を問う質問が出た。
尾身会長は、今後のシナリオについて、ベストケースとそうでない場合の2つを大まかに説明した。 「一つは『ベストケース』。(解除期限の)2月7日に近くなって、みんなの協力のおかげで比較的早くステージ3にいきそうだ、と」 政府は解除判断の目安として、政府のコロナ対策分科会が示す4段階の「ステージ」において上から2番目の「ステージ3」まで感染状況や医療体制の指標が下がることを挙げる。分科会は、さらに解除後も「ステージ2」まで下げるために必要な対策を継続すべきだと提言している。 尾身会長は「かなり(数値が)下がってくれば、(自粛や制限の)ある部分は解除することも視野に入ってくる。ただ全部を、ということになると感染のリバウンドが起こってくる」と見通しを語った。 もう一つの「ベストではないシナリオ」については、▽感染がまだ増加している▽横ばい▽感染の減少が緩やか――の3つを挙げ、これらは「大きなくくりでは一緒」だとした。 「この場合には、(現状の)基本的対処方針だけでは足りないということを示すので、さらに強い対応が必要ということになる」 具体的な内容については、現状の対策の効果をモニタリングしていく中で、効果が見られる対応の継続やここまで実施していない対応も含めて検討することになるとし、「一般の人にもベストケースに行かない場合はそういう事もあり得ると、政府として、分科会としてお示しすることが責務だと思っている」と語った。