「反対じゃないけど議論が…」新アリーナ建設問題で民意はどこに “中止”の新市長と“推進”多数の議会 住民投票にならず混迷続く
愛知県豊橋市で、プロバスケットチームの本拠地となる予定だった「新アリーナ」の建設を巡り、 “建設中止”を公約に掲げて当選した長坂尚登市長と、“建設推進”が多数を占める市議会が対立している。12月26日には、住民投票の条例案は否決されて議論は振り出しに戻り、混迷が続いている。 【画像で見る】“中止”の新市長と“推進”多数の議会…新アリーナ建設に「多面体の民意」計画の是非問う住民投票実施の公算高まる
■Bリーグ強豪にまさかの危機…新アリーナが「建設中止」の検討
愛知県豊橋市を拠点とするプロバスケットボールチーム「三遠(さんえん)ネオフェニックス」は、Bリーグ・中地区の強豪だ。 そんな彼らが今、トップリーグへの“参入取り消し”の危機を迎えている。キッカケは、2024年11月10日に投開票された豊橋市長選挙だ。 豊橋市長選挙では、保守系の有力候補と三つ巴の激戦を制し、元市議で新人の長坂尚登(ながさか・なおと)氏が当選した。公約は、「新アリーナの建設中止」だ。 豊橋市の長坂尚登市長: 契約を解除しますということを訴えて今回の選挙に臨みましたので、速やかに解除の手続きに入ると。 三遠ネオフェニックスは、新アリーナの計画を前提に2026年から始まるトップリーグ「Bプレミア」入りが決まっていた。計画中止になれば、参入が取り消しとなる。 Bプレミアでは、参入の条件の一つに「一定の基準を満たしたアリーナの確保」があるからだ。
■2027年開業を目指し…約230億円で「新アリーナ」等の整備計画
市の中心部にある豊橋公園は、豊橋市役所に隣接し、戦国時代に築城された吉田城址のほか、美術博物館、野球場もある市民の憩いの場所だ。 豊橋公園の東側エリアに建設が予定されている建物が「新アリーナ」だ。 今回の市長選挙で落選した浅井由祟(あさい・よしたか)前市長は、総額およそ230億円をかけて、バスケのトップリーグ参入要件の1つ「5000人収容の新アリーナ」のほか、市民らの憩いの場となる芝生広場や、テニスコートなどの整備を計画した。すでに業者と契約し、2027年の開業を目指していた。 建設が予定されていた場所は今、工事用のフェンスに覆われ、使われていない重機が止まったままとなっている。