Facebook やTikTokで横行する「なりすまし広告」にブランドは困惑。メタは問題を放置?
トラッキングツールの強化
ボンバスは1年以上前から、ブランドを偽称するなりすまし広告やサイトへの対処に取り組んできた。CMOを務めるケイト・ハイアット氏によると、その数は減少しているものの、同社は今でも毎日、なりすましと戦い続けているという。 ここ6カ月で、ボンバスのなりすましサイト関連の顧客からの問い合わせは前年比で70%減少した。「今年はなりすましサイトの数が40%減少した」とハイアット氏は話し、ブランドがより迅速にそれらのサイトを捕まえていることが理由だとしている。 しかし、こうしたなりすましサイトの多くはさらに多くの広告を掲載している。「昨年はサイトあたりの広告が2件から4件だったが、今年は8件から12件見かけている。そのため、実質的な影響を把握するのは困難になっている」と同氏は言う。多くの場合、ホリデーの前後に動きが活発化する。 ナチュラルライフと同様に、ボンバスも顧客に対して「ショッピングをしているサイトがBombas.comであることをたしかめるように」と伝えているとハイアット氏は話す。また、ボンバスはなりすましサイトを検出するためにサードパーティーのサービスも利用している。 ハイアット氏は、メタとの協力が鍵だったと語った。このプラットフォームのトラッキングツールは、文書化と報告が手動だった昨年の今頃に比べて大幅に強化されたと、同氏は付け加えている。ボンバスは問題に対するメタでの内部的な取り組みについては知らないものの、「メタはこの問題だけに取り組む新しい事業部門を立ち上げたので、当社もこの問題について、そのチームと密接に協力していく」という。
TikTokショップでもなりすましが出現
しかし、これはもはやメタのみの問題ではない。 ボンバスのなりすまし広告は、ボンバスが販売していないプラットフォームであるTikTok ショップ(TikTok Shop)にも出現している。ハイアット氏によると、TikTokとも同様に協力し、これらのアカウントのトラッキングに取り組んでいるという。メタの最新のツールと比べると、「TikTokにおけるプロセスは、やや手動の部分がまだ多い」と同氏は話す。 「当社だけでできることはそれほど多くないのが現実だ。顧客が本物の広告を見わけることはますます困難になってきている。詐欺業界の連中は抜け目がない」。 これらのブランドにとって、長期的な悪影響がどのようなものになるのかはまだわからない。ナチュラルライフのグラナ氏は、「ブランドの評判に影響を及ぼすことは明らかだが、マーケティング費用や顧客獲得の機会にも影響があるだろう」と語った。 [原文:Brands report a rise in imposter advertisers on platforms like Meta & TikTok] Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果) Illustration by Ivy Liu
編集部