ザウバー/アウディはボルトレートと交渉。契約維持を望むマクラーレンはテスト実施、フリー走行参加もオファーか
FIA F2のドライバーズ選手権で現在2位につけているガブリエル・ボルトレートは、2025年のF1昇格に大きな期待を抱いている。2023年にFIA F3のチャンピオンになった後、F2でのルーキーシーズンで非常に印象的な活躍を見せてきた若きブラジル人ドライバーにとって、母国のテレビ放映権保有者の交代は、これ以上ないタイミングで起こった。 【写真】2024年FIA F2第11戦モンツァ ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成) フェルナンド・アロンソのマネジメント会社『A14』によってキャリアを支えられているボルトレートは、マクラーレンのドライバー育成プログラムの一員だ。実際に先週末には、レッドブルリンクで2022年仕様のマクラーレンMCL36をドライブし、F1のパワーを初めて味わった。テストの最後に、ボルトレートは次のように語った。 「初めてF1マシンに乗った1日を終えることができてとてもうれしい。僕にとってとても特別な瞬間だ。僕は幼い頃から、いつかこのマシンに乗って、今日のように何周も走れるようになることを夢見ていた。新しいことを学んでいる。これは僕が今までドライブしてきたのとはまったく違うものだが、一番非現実的な感覚でもある。本当にうれしい。この夢を叶えてくれたマクラーレンに感謝しているし、またすぐにチャンスが訪れることを願っている」 マティア・ビノットがアンドレアス・ザイドルに代わってアウディのF1プロジェクトの責任者になって以来、ボルトレートのマネジメント陣がアウディF1の新経営陣と話し合いを行っていることは秘密ではないが、マクラーレンがテストをオファーしたこと、そしておそらくボルトレートがメキシコシティGPフリー走行1回目に参加する可能性があることは、アンドレア・ステラ代表がボルトレートをチームの近くに留めておきたいと考えていることを示している。ステラは、ここ数カ月でランド・ノリスとオスカー・ピアストリの間の緊張が高まっているため、現在のドライバーラインアップを長く維持するのは非常に難しくなると理解している。 ボルトレートのチャンスを助けることになるかもしれない意外な要素は、すでにF1のCEOであるステファノ・ドメニカリが、支払い不足を理由に『Band TV』のF1放映権を予定より1年前倒しで終了する条件に同意しており、3年ぶりに大手の『TV Globo』がグランプリレースに復帰することを発表しようとしていることだ。ブラジル最大のテレビ局は、F1にブラジル人ドライバーがいないことからこのスポーツから撤退しており、グリッド上にブラジル人が現れるまで復帰しないと宣言していた。 現在、ドメニカリはふたつの契約と、さらにビノットとの良好な個人的関係も結び付けようとしている。ふたりはフェラーリで18年間ともに仕事をし、同時に昇進してきた。この関係は、ボルトレートと彼のマネジメント陣にとって大きな価値となる可能性がある。現在、ザウバー/アウディのふたり目のドライバーは、バルテリ・ボッタスと若きブラジル人ドライバーに絞られているようだ。 [オートスポーツweb 2024年09月11日]