「お前、ユウキと全然違うな(笑)」イタリア人が驚いた大塚達宣の“グイグイ精神”…「24歳の海外挑戦」はバレー界の新しい選択肢になるか?
バレーボール界の“未来”に示した選択肢
大塚には新たなルートを示せたという自負がある。 「これまでは、海外一発目は下位のチームに行って、そこから力をつけていくという流れがありましたが、今回僕はありがたいことに縁があってミラノで一発目からやらせてもらえる。ミラノは昨季セリエAで3位になり、今季は欧州チャンピオンズリーグにも出られるチームです。 国内でしっかり力をつけて、ある程度世界にも名前を知られるというか、『こういう選手だな』と認識してもらった上でミラノのようなチームに行けるのは、一つの新しいやり方かなと思います」 パナソニックで出会い、先月、日本代表の新監督に内定したロラン・ティリ監督にも、「一緒にパナソニックで力をつけて、代表でも出る機会を少しずつ増やし、いろんな人に『大塚はこういう選手だ』と知ってもらってから海外に行くのがいいと思うよ」と言われていたという。 「大学生で海外に行くこともめちゃくちゃいいと思うし、僕も行けるなら行きたかったけど、いろんな選択肢ができれば、これからの大学生や高校生もいろんなイメージを持てると思うので、いい例を作れたらと思っていました」 ミラノは昨季まで石川が所属していたこともあり、大塚が一番よく映像を見ていたチームだった。 「監督を筆頭にすごく熱く、エネルギッシュで、僕が好きなタイプのチームだなと以前から思っていました。いざ入ってみてもそこのギャップはなくて、練習の熱量も高いし、チームメイトも全員がバレーのことを第一に考えている。 『チームとして』『みんなで』というのを重んじるクラブで、チームとは一体どういうものなのか、チームが結果を出すために何をすべきかといった細かいミーティングもありました。それを聞いていても納得することが多いし、すごくいいチームだなと感じています」 そのミーティングの最中、ミラノのロベルト・ピアッツァ監督がニヤリと笑って、「絶対ユウキに見せるなよ」と釘を刺した。 「イタリア語がわからなかったから、ホワイトボードに書いてくれていた言葉をあとで自分で見返すために、写真撮っていい? と聞いたら、『いいよいいよ』って。『でも絶対ユウキには見せんなよ。もうあいつはペルージャだから』って(笑)。まあ冗談半分ですけど」 “スタートが肝心”と、ミラノ合流後はチームに溶け込むことを最優先に、コート内外でハードワークした。その甲斐あってチームに素早く馴染むことができたが、その後、思わぬ反動が――。 〈後編に続く〉
(「バレーボールPRESS」米虫紀子 = 文)
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