「お前、ユウキと全然違うな(笑)」イタリア人が驚いた大塚達宣の“グイグイ精神”…「24歳の海外挑戦」はバレー界の新しい選択肢になるか?
「お前、ユウキと全然違うな(笑)」
ただ、チーム内では予想以上にイタリア語でのやりとりが多く面食らった。英語はある程度理解できたが、イタリア語は勉強し始めたばかり。 「何言ってるかわからんし! (苦笑)。でもそこで引いてしまって、こっちが何も話さなくなったら、みんなは僕がどう思っているのか、どんな人なのかがわからない。だから間違っていてもいいから、どんどん積極的に話しかけに行きました」 新しい単語を学ぶたび、ノートにイタリア語、英語、日本語を三列に記入していく。 ミラノのチームメイトは、グイグイくる日本人に驚いた。ある日、言われた。 「お前、ユウキと全然違うな(笑)」 昨シーズンまで4季ミラノでプレーした石川祐希(ペルージャ)は、コート内では熱くチームを引っ張っていたが、普段はどちらかというと物静かなタイプ。イタリア語やイタリア生活にも慣れており落ち着きもあった。 「祐希さんを見て、日本人ってこういう感じなんだろうなというイメージがたぶんミラノのメンバーの中にあったと思う。でも僕が来てみたら、『全然違うやんコイツ』となったんでしょうね」と大塚は笑う。 「祐希さんと違って僕はイタリア語を全然しゃべれないから、いろんな言葉を教えてもらいながら、あたふたしながらやっている。その姿がなんかおもろいというか、また全然違うキャラの日本人だなと思われたのかなと」 大塚にとっては念願の海外移籍だ。石川が中央大学在学中にセリエAでプレーし始めてから、大学生にも海外リーグでプレーする選択肢が生まれた。高橋藍(サントリーサンバーズ大阪)は日本体育大学2年時にセリエAへ。当時早稲田大学3年だった大塚も、海外への思いは強かった。 「祐希さんや藍みたいに、大学生で一発目に海外に行って力をつけるというのが成功のイメージだった。だから1月から3月の短期間だけでも海外に行きたかったんですけど、自分は教職の授業もあって長期間休むことができなかったので、どうしても行けなくて」 そこで、Vリーグのパナソニックパンサーズ(現在のSVリーグ・大阪ブルテオン)で大学3年からプレーする道を選んだ。大学4年の内定選手ではなく、3年以下の選手がVリーグのトップカテゴリーでプレーするのは、大塚と、同時にパナソニックに加入したエバデダン・ラリーが初めてだった。それ以降、昨季は法政大学2年だった高橋慶帆がジェイテクトSTINGS(現・ジェイテクトSTINGS愛知)でプレーするなど、大学生の選択肢の一つとなった。
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