2024年野球界”私的”10大ニュース! 3位は歴史的低迷の西武、2位は悲喜こもごものドラフト、1位は……【連載・一志順夫コラム「白球交差点」vol.9】
ファンとして大谷の活躍以上に快哉を叫んだ今永のメジャー1年目15勝
5. 今永 昇太メジャー1年目の大活躍 MLBシカゴ・カブスにとってこれは嬉しい誤算だったかもしれない。この小兵の日本人投手が1年間ローテションを守り15勝を挙げるとは、メディアも含め予想していなかったはずだ。筆者は今永が駒沢大2年生の時から見続けてきたが、まさに柔よく剛を制す、メジャーの一流打者をキリキリ舞いさせたピッチングには、一ファンとしてロサンゼルス・ドジャースを世界一に導いた大谷 翔平の今季の活躍以上に快哉を叫んだものだ。 6. 大谷 翔平50/50、 3度目のMVP とはいえ、やはり大谷のこの快挙は無視できない。開幕当初の「水原一平事件」など完全に吹き飛ばした活躍ぶりには恐れ入る。大谷の凄さは、なんと言ってもデータで研究され丸裸にされても、それを凌駕、克服しアスリートとして進化し続けているところだろう。はたして来年はまた二刀流の勇姿を拝めるか。
7.青山学院大学、大学4冠 昨年は常廣 羽也斗(現・広島)、下村 海翔(現・阪神)のドラ1コンビをもってしても達成できなかった快挙。2008年の東洋大以来ということだが、当時の東洋大は乾 真大、上野 大貴、藤岡 貴裕、大野 奨太、小島 脩平、小田 裕也、鈴木 大地という後にプロ入りする錚々たる顔ぶれ。それと比べても、今年は西川 史礁(ロッテ・ドラフト1位)、佐々木 泰(広島・ドラフト1位)、下級生に中西 聖輝、初谷 健心、中田 達也、渡部 海とタレント揃いで遜色ない布陣といえる。2年連続四冠を狙えるチーム力は鉄壁とみた。
8. 健大高崎、選抜初優勝 前年の戦績からしたら順当ともいえるが、2年生の佐藤 龍月と石垣 元気のWエースが想像以上の強烈なインパクトを残した。今秋は関東大会決勝で横浜に苦杯をなめさせられたものの、選抜の切符は確実。世代No.1ピッチャーに君臨しつつある158キロ右腕・石垣は無双状態で、佐藤の怪我の回復次第では、来春の連覇も夢ではない。