2浪6留「医学部合格」更に待ち受けた“浪人生活”。医師免許のために勉強続ける中で、運命の出会いも。
ここで出会った女性は、後に山田さんの妻になりました。良きパートナーの支えもあり、医師国家試験に合格するまで受験勉強を続ける決意をした山田さんは、国家試験2浪目に突入します。 山田さんは、この年から医師国家試験対策をしてくれる予備校に入って勉強を始めました。 医師国家試験の問題は大きく、必修と一般臨床に分かれています。必修は80%以上の得点が必要で、一般臨床は下位1割が落ちるとされています。また、合格率は9割前後ではあるものの、その対策はとても大変だったそうです。
「毎年試験の難易度が上がっていましたし、ただでさえ賢い全国の医学部の学生が予備校に通って必死に対策をする試験なので、私のように医学部を何度も留年してギリギリ卒業した人間だと、とても苦労しました。 それなのに私は1日3~4時間くらいしか勉強時間を取っていませんでしたし、授業を聞いて、最低限テキストを暗記するのを機械的にやるだけでした。 これだけやっていれば受かるだろうという感じで、軽く考えていたのです。予備校ではいい先生にも巡り合ったのですが、医師国家試験に向けた勉強をするのが人生でほぼ初めてだったので、合格までの距離感がわからず、試験を舐めていました」
この年の受験もうまくいかなかった山田さんは、落ちた理由を「勉強量の不足」と反省し、自身の姿勢を改めて、3浪目では妥協なく勉強をすることを誓います。 「とにかく学んだことは全部覚えようと思い、必死に勉強しました。勉強時間は前年の2倍くらいには増えたと思います。そうした姿勢もあって、じわじわと成績が上がっていったのですが、あと3問、合格まで届きませんでした。 この年が、本当の意味で、初めて人生で『失敗』を経験しました。いちばん本気で取り組んで落ちたので悔しかったですが、自分なりに努力した結果を受けて、悔しい思いができたという点で、人生最高の失敗でもありました」