小松菜奈×松田龍平、あの世とこの世の境を彷徨う映画『わたくしどもは。』に見出した景色とは?
小松 出口が見えないくらい長いトンネルでの撮影があり、この先それ以上でも、それ以下でもない「隣り合わせ」にいる関係が永遠に続いていくんだろうなということを、松田さんと一緒に歩いていて感じたんです。出口がどこにあるのかはわからなくても、ふたりでポツンとこの世界をゆっくりと歩いていくんだろうなと。 Nana Komatsu/1996年生まれ。『渇き。』(2014年)で長編映画デビューを果たし、多くの新人賞を受賞。16年、シャネルのアンバサターに就任。『糸』(20年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。 ジャケット¥145,200、スカート¥99,000/ともにアクネ ストゥディオズ シャツ¥66,000(参考価格)/アヴァヴァヴ リング「ココ クラッシュ」右手中指¥467,500 左手人指し指 (上)¥246,400 、(下)¥638,000 中指 (上)¥451,000 、(下)¥264,000/以上シャネル
――富名監督と仕事をした印象を聞かせてください。
松田 富名監督の奥さんでもある畠中プロデューサーが、僕のデビュー当時のマネージャーだったんです。それもあって富名さんにはだいぶ前にお会いしたことがあって。それから「いつかやりましょう」という話はしていたんですけど。だから縁みたいなものはずっと感じていて、今回ようやくご一緒出来たのはうれしかったです。僕は今年40歳になりまして、折り返し地点のような気持ちになって、ついいろいろと焦ってしまうところがあったんですけど、やっぱり焦ったところで少しずつ、ゆっくりとしか前に進めないんだなということを痛感して。だからちゃんと積み重ねていって、その数ミリ分の体重のかけ方でも、今後の人生に響いてくるんじゃないかなって、そういうことを感じて、やれることは早めにやらないとって思っています。 小松 富名監督は撮影している時、すごく少年みたいで、ずっと楽しそうなんです。私たちの演技のさなかに、モニターを見ていて、反応して大きな声を出したことがあったんですけど、録音部さんに怒られて謝ってました(笑)。私たちの芝居がご自身のビジョンにかなったときに『OK』って言うんですけど、時に『OKすぎた!』っていうのが印象的で。ご自身で書いたオリジナルストーリーで、愛情が強くて、ピュアで。現場自体も和気あいあいとしていましたし、特に監督の長編1作目『ブルー・ウインド・ブローズ』に続き、本作にアカ役で出演している田中椿ちゃんとの出会いが大きかったです。島で育ったまっすぐな子で、普段は畑仕事のお手伝いをしていて、休憩時間には木の実を持ってきてくれて一緒に食べたりして。東京ではそういう体験はできませんし、こういう出会いを用意してくださった富名監督にも感謝しています。 『わたくしどもは。』 ●監督・脚本・編集/富名哲也 ●出演/小松菜奈、松田龍平、片岡千之助、石橋静河、内田也哉子、辰巳満次郎、田中泯、大竹しのぶ ほか ●2023年、日本映画、101分 ●製作、配給/テツヤトミナフィルム 配給協力/ハピネットファントムスタジオ ©2023テツヤトミナフィルム https://watakushidomowa.com ●問い合わせ先: アクネ ストゥディオズ アオヤマ Tel 03-6418-9923 サカス ピーアール(アヴァヴァヴ) Tel 03-6447-2762 シャネル カスタマーケア Tel 0120-525-519 text: Yuka Kimbara photography: Mirei Sakaki styling: Ayaka Endo(N.Komatsu),Dai Ishii(R.Matsuda) hair & makeup : Mai Ozawa(mod's hair/N.Komatsu),Taro Yoshida(W/R.Matsuda)