日没後、真っ暗になっても、パッティンググリーンで練習し続けた松山英樹（左から2人）

＜米国男子ゴルフツアー：ZOZOチャンピオンシップ＞◇第2日◇25日◇千葉・習志野CC（7079ヤード、パー70）◇賞金総額850万ドル（約12億7500万円）優勝153万ドル（約2億2950万円） 【写真】男性にプレゼントしたサイン入りグローブ 　53位から出た松山英樹（32＝LEXUS）は、1つ落とし、首位と14打差の65位に後退した。3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で、通算2オーバー、142。12アンダーの首位ニコ・エチャバリア（コロンビア）に、大きく引き離された。 　出だしの1番パー4は、第2打を4メートルのチャンスにつけたが決められず、パーに終わった。だが2番パー4でバーディーを先行。フェアウエーからの第2打を、1メートル足らずにピタリとつけ、見守った大勢のギャラリーの大歓声を浴び、イーブンパーに戻した。勢いに乗りたいところだったが、続く3番パー3は7メートル近いバーディーパットを、わずかに決めきれずに肩を落とした。 　すると徐々に流れを失い、伸ばしたいパー5の6番で、フェアウエーからの第2打を林に打ち込み、ボギーとした。8番パー4では、痛恨のダブルボギー。ティーショットを左に曲げると、ボールは座っていた年配男性のギャラリーの右手首に直撃した。当たっていなければ深いラフに打ち込んでいたところ、ボールはファーストカットへ。松山が男性のもとへ「大丈夫ですか？　すみません」と駆け寄った。男性が「フェアウエー側にはね返しておきました」と冗談交じりに返すと、松山も笑顔で応じた。さらに松山は「すみませんでした。もう少し、うまく打てていればよかったんですけど」と話し、そのまま左手に着けていたグローブを外してサインし、男性にプレゼントする神対応を見せた。 　ところが、そんな“おじいちゃんアシスト”を生かすことができず、ファーストカットからの第2打は、グリーン手前のラフに打ち込んだ。さらにピンが近い難しいアプローチが求められるシチュエーションで放った、ウエッジショットがクリーンヒット。ボールはグリーンを飛び越えて、反対側のラフまで飛んでいく“ホームラン”という、信じられないミスが飛び出した。百戦錬磨の松山も、さすがに眉間に手を当て“考える人”のポーズになって、しばらく動けなくなった。180度反対から打った第4打のアプローチショットは、2メートルに寄せたが、ボギーパットを決めきれず、一気に2つ落とし、3オーバーで折り返す苦しい展開となった。 　後半は2バーディーを奪ったが、ボギーも1つたたき、イーブンパーまで戻すには至らなかった。前日に続くオーバーパーの71。ホールアウト後は「今日こそはと思ってやったんですが、なかなか思うようにいかず。後半も立て直せそうかなと思ったんですが、苦しかったですね」と、淡々と話した。続けて「これだけ悪くても、付いてきてくれる方がいるので『バーディーを少しでも』と思っていたんですけど（後半は）2つしか取れずに残念でしたね」と、悔しさを押し殺して話した。 　報道陣に対応後は、練習場に直行した。その時点ですでに午後4時近かったが、日没から約25分後の午後5時14分まで練習を続けた。ドライビングレンジを後にしたのが、すでに日没後の午後4時58分。最後はパッティンググリーンの投光器の光を頼りに、周囲は真っ暗、ギャラリーは足下が危険なために全員帰った後も、黙々とパッティング練習を繰り返していた。