バカほど「なるほど、勉強になります」と言う…学ぶことをやめた大人たちが口にする"残念なフレーズ"
社会人になっても勉強は必要なのか。『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』(翔泳社)を書いた横山信弘さんは「勉強すれば考える力が身に付き、センスのいい、説得力のある意見を言えるようにもなる。ただ、1つだけおすすめしない勉強法がある」という――。(第1回) 【図表】理解レベルの4段階 ■「勉強」すると考える力が身に付く 社会人が勉強するとき、その目的は「勉強すること」そのものでかまわない。これは山登りの目的と似ている。山登りが好きな人は、山に登りたいから山に登るのだ。その目的を果たそうとしていると、あとから素晴らしい気分になったり、達成感を味わえたりする。これらはすべて後付けの感情だ。 社会人の勉強も同じだ。目的は「勉強」であり、しっかり勉強することで脳が活性化し、柔軟性が身に付いたり、ストレス耐性が上がったりする。考える力が身に付き、覚悟を決められるようになる。 私は16年以上メルマガを発信し続けている。週に2~5回発信しているが滞ったことは一度もない。「何のためのメルマガを出しているのか?」と自問自答することもあるが、すぐ自制する。それをしてしまうと、継続できなくなるかもしれないと思うからだ。 勉強するときもそうだ。「継続するために勉強しよう」「習慣化するために勉強しよう」とあまり我に返らないようにすることを私は強くお勧めする。 とはいえ、何となく勉強をしていても、勉強の効果は実感しづらい。目的はともかくとして、目標があったほうがいい。ゴールや目的地だ。そうでないと、だらだら本を読んだり、何となく研修を受けることになる。いくら勉強をすることが重要だといっても、目標がないとさすがに効率的に学べない。 ■「理解レベル」には4つの段階がある それに「勉強しがい」がないではないか。資格試験などは最もわかりやすいゴールだ。しかし、そういったわかりやすいゴールがないのなら、これから紹介する「理解レベルの4段階」を参考にしてほしい。勉強する上での大事なモノサシとなる。(図表1) まずは、レベル2を目指し、経験を積んでレベル3にする。さらに上司として部下育成したり、お客様にレクチャーすべきなら、レベル4まで目指したほうがいいだろう。それではさっそく「理解レベルの4段階」について解説していく。まずは「理解には4つのレベルがあり、それを無視して一足飛びに理解が進むことはない」と捉えよう。 まず理解レベル1についてだ。学ぶ意識が低かったり、ネット記事やブログ、動画といった断片的な情報のみで勉強していると表面的な知識しか手に入らない。理解どころか「正しい知識」の習得もできていないはずだ。 このように、多角的な視点が手に入らないと勉強を終えても「参考になった/参考にならなかった」程度の浅い印象しか残らない。これがレベル1の状態である。 次に理解レベル2だ。多様なインプットを通じて、多角的な視点で物事を見られるようになっている状態。これがレベル2である。全体像を理解した上で、何が論点で、何がトピックで、何が具体的なコツかも整理できている。そのためには、体系的に書かれた複数の書籍や研修からのインプットが不可欠だ。