バカほど「なるほど、勉強になります」と言う…学ぶことをやめた大人たちが口にする"残念なフレーズ"
■「腹落ち」することを目指す 一方で、体系的に知識を身に付けても実際に経験し安定して成果を出さないと腹に落ちることはない。知識を身に付けると最初はわかった気になる。だが、知識を応用してもうまくいかないことが増えると納得できなくなるものだ。「本当にこの知識・ノウハウは役に立つのか?」と疑うようになる。 「理解=言葉×体験」を頭に入れ、知識に基づいた実践を繰り返す。知識と経験が資産化するといずれ点と点が繋がって――まさにスティーブ・ジョブズが言った「コネクティング・ザ・ドッツ(「点と点を繋ぐ」の意味)」を体現することになる。そうすると、複利曲線を描くように理解レベルが上がっていき、腹に落ちる。 「ああ、そうか!」といった「腹に落ちる/腑に落ちる」という心理現象を味わったら、理解レベル3の状態に達したと受け止めていいだろう。ここで大事なことは「知識に基づいた経験」が増えることだ。自分なりのやり方で経験を積んでも、なかなか点と点が繋がることはない。 さらにレベルが進むと腹に落ちるだけでない。膨大な知識資産、経験資産によって、借り物の言葉ではなく、自分の言葉で人に教えられる域に達する。これが理解レベル4の状態だ。大量の試行錯誤を重ねているため、センスが磨かれている。何がいいか、何が悪いかを一瞬で見抜くことができる。理解レベル4にまで達すれば、知識や知恵のみならず知性も身に付いたと捉えていい。 こういったモノサシを頭に入れて研修を受けたり、読書に勤しんだりすれば、効果的に勉強できるはずだ。 ■「オンラインサロン」には入らないほうがいい 本稿の最後に社会人がやらないほうがいい勉強法をお伝えしておきたい。それはたった1つだけ、交流がメインの講座やオンラインサロンに参加することだ。人と人とが交流する時間や機会をやたらとお勧めするコミュニティやオンラインサロンなどは、できる限り避けたほうがいい。 たしかにモチベーション維持のためには効果があるだろう。しかし、交流のための時間が大きく取られると勉強効率が非常に悪くなる。 私がとても気になる言葉を紹介する。それは「勉強になります」という言葉だ。交流会などでビジネスパーソンと会い、いろいろ話をしていると、「とても勉強になります」「学びの深い時間になりました」などと言われることが多い。あるテーマについてレクチャーしてそう言われるのは嬉しいが「実際にいったい何が勉強になったのか?」と問いたくなる。 何かを学んだ際のポイントは「記憶」である。それでは、一体何が記憶されたのか、必要なときにタイミングよく思い返せるように脳に記憶された知識やノウハウは何か? と問いたくなってしまう。