新しいeスポーツの生みの親は「ゲームが苦手」な理学療法士 年齢や性別、障がいの有無に関係なく楽しめる
新型コロナウイルスの感染拡大で翻弄された、医療・介護業界。病院や施設にいた高齢者や障がいのある人たちは、面会制限によって外部とのコミュニケーションが大幅に制限。レクリエーションが中止となり、遊びや他者との交流の機会も奪われました。 そんななか、理学療法士の池田竜太さんは業界に楽しさを取り戻したいとリハビリ施設を退職し、年齢や性別、障がいの有無に関係なく楽しめる「UDe-スポーツ」を考案します。新しいeスポーツはどのようにして誕生したのでしょうか。
【池田竜太 RYUTA IKEDA】 株式会社ハッピーブレイン代表取締役/UDe-スポーツ協会代表理事/理学療法士 1984 年熊本県山鹿市生まれ。熊本リハビリテーション学院(現:熊本総合医療リハビリテーション学院)卒業後、理学療法士として病院や介護施設などで約15年勤務。 2020年4月に退職し、同年8月に合同会社ハッピーブレイン(熊本県合志市)を創業。年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もがいっしょになって楽しめる新しいeスポーツ「UDe-スポーツ」を考案し、普及に努めている。 2021年5月に株式会社に改組。熊本eスポーツ協会公認指導員。
バイトに熱中。卒業後はリハビリの専門学校へ
理学療法士の池田さんは高校時代、授業が終わると、飲食店や酒屋でのバイトに明け暮れる生活を送りました。 池田「おもしろくて夢中になって働きました。飲食店や酒屋のお客さんである高齢の方々とおしゃべりして仲良くなって。でも、それだけバイトをしていると、疲れて学校には行けなくなります。真面目に学校に通えないことも多くありました」 高校卒業後は就職を考えていましたが、就職氷河期で高卒の採用数が少なかったため、理学療法や作業療法などを学ぶリハビリテーションの専門学校に進学しました。 池田「仲のいい先輩が進学していて興味を持ったんです。中学まではサッカー部に入っていてスポーツが好きでしたし、リハビリにも関心がありました。年配の人とコミュニケーションを取るのも楽しかったので、理学療法士に向いているんじゃないかと思ったんです」