東浜には24日にも敵地で7回をわずか1安打で零封されている。このときはリリーフ陣の乱調につけ込み、中村の満塁本塁打でうっちゃった。しかし、試合には勝ったものの、個人的な勝負で完敗した東浜にリベンジを果たすどころか返り討ちにあった。 「前回も1安打しか打てていないし、今日もここで打てばいける、というチャンスも作ったけど、やっぱりコントールがいいピッチャーは大崩れしないし、なかなか点が取れなかった。もうちょっと早めに一本が出ていれば、という展開でその一本が出なかった」 　辻監督は、7連勝で3年ぶりの2桁勝利到達に王手をかけ、この夜で連続無失点を24イニングスまで継続した東浜を称えた。規定投球回に届いていないが、防御率2.02で“隠れ1位”である。しかし、CSと、その後の日本シリーズを見すえて、今シーズン初の中5日で先発した30歳の右腕は、やや異なるニュアンスの言葉を試合後に残している。 「バラつくボールも多かったんですけど、何とか踏ん張って投げることができました」 　東浜の言葉を借りれば、ボールがバラついたピンチに西武打線がつけ込めなかったことになる。 　象徴的だったのが5回だ。一死から中村、山川が連続四球で出塁したチャンスで、8番のコーリー・スパンジェンバーグはフルカウントから見逃し三振に倒れ、必死に食らいついた9番・山野辺翔が放ったライナーは東浜の真正面を突いた。東浜は5回をこう振り返っている。 「（勝利投手の権利を得る）5回でしたし、抑えたい、という気持ちが自分のなかでちょっと空回りしていましたけど、ゼロで終われてよかったです」 　2回も先頭の4番・栗山巧がライト前ヒットで出塁しながら、一死後に中村がショートゴロでダブルプレーに倒れた。内野安打で出塁したスパンジェンバーグが、強肩・甲斐拓也から盗塁を決めた3回一死二塁のチャンスでも、続く山野辺と1番・金子侑司があえなく凡退している。 　4回は先頭の2番・源田壮亮がセンター前ヒットで出塁しながら、ポトリと落ちそうだった3番・森友哉の飛球を、この日に一軍昇格を果たし、即先発で起用されたセンターの柳町達がダイビングキャッチ。スタートを切っていた源田も戻りきれず、併殺でチャンスを潰してしまった。