パは熾烈なCSサバイバル…またしても2位浮上に失敗した西武に突きつけられている課題とは?
期待は瞬く間にため息へと変わった。二死から中村剛也の9号2ランが飛び出し、埼玉西武ライオンズが3-4と1点差に迫った最終回。本拠地メットライフドームに駆けつけたファンの誰もが、続く山川穂高もアーチで共演を果たし、土壇場で王者・福岡ソフトバンクホークスに追いつく奇跡を夢見た。 だが、7番に入っていた山川はソフトバンクの守護神、森唯斗の前にあえなく三球三振に倒れた。空振りした勢いが余ってひざまずいた瞬間に、クライマックスシリーズ(CS)出場権の2位を狙う西武の連敗と勝率5割への逆戻りが決まった。 昨シーズンまで2年連続でホームラン王を獲得してきた28歳の主砲は、今月8日のソフトバンク戦で24号を放って以来、18試合ホームランから遠ざかっている。10月に入ってからの打率は.145にあえぎ、対照的に三振は16。山川のバットは湿ったままだった。 ZOZOマリンスタジアムでは4位の東北楽天ゴールデンイーグルスが、2位の千葉ロッテマリーンズを2-1で下していた。ロッテと西武の1ゲーム差は変わらず、一方で楽天が西武に0.5ゲーム差と肉迫した。CSをソフトバンクと戦う2位の座をめぐる戦いが熾烈さを増してきた。 「うーん、相手が東浜だからそう簡単には。それを考えれば、やっぱり3点は大きすぎるかな」 勝てばゲーム差なしでロッテに並び、勝率でほんのわずかながら上回って2位に浮上するチャンスを逃した西武の辻発彦監督は、千賀滉大と並ぶソフトバンクのエース、東浜巨を相手にした一戦で先発を託した右腕・平井克典が、4回までに献上した3失点を嘆いた。 1点のビハインドで迎えた4回。先頭の4番・グラシアルに中越え二塁打を浴び、続く5番・栗原陵矢にバックスクリーン右へ16号本塁打を叩き込まれた。ボールを2つ先行させた末にストライクを取りにいった一球は、確かに不用意だったかもしれない。 ただ、先発予定だった今井達也が身体の張りが取れないと訴え、中継ぎから急きょ配置転換された平井が置かれた状況を考えれば、5イニングを投げて4安打3失点は最低限の仕事を果たしたと見るべきだろう。むしろ問題なのは、8回まで東浜に散発3安打で零封された打線となる。