妻の浮気?虐待?開業医の夫・85歳母の介護から明らかになった「本当の問題」
実年齢より若々しい妻が
妻と洋一さんは、スケジュールを全く共有していません。「絶対に浮気の証拠をおさえてください」という依頼なので、まずは1日ベタ付きで、妻の尾行をしました。 朝8時から張っていると、妻が9時に出てきました。45歳という実年齢よりかなり若く見える。ロングの黒髪はツヤツヤで、メイクも上手です。引き締まった体に、黒のレギンス、ハイブランドのシャツワンピースにぬいぐるみのような素材のジャケットを羽織っており、とてもおしゃれ。 コンビニに立ち寄り、菓子パンとゼリー。ヨーグルトを購入。「いつも買っているもの」という雰囲気でした。そしてコンビニから100メートル程度の古いマンションがある敷地に入っていきます。 おそらく、ここが洋一郎さんが母のために購入したマンションなのでしょう。高級物件をイメージしていましたが、古く、オートロックではない3階建ての建物です。外階段なので、中の様子がすぐにわかる。 妻は鍵を開錠しドアを開けようとしましたが、チェーンがかかっている。すると「ちょっと、またチェーンかけたんですか。これがあると倒れても、ドアが開けられないんだよ!」と怒鳴っています。 ドアが開くと家の中へ。ゴミ袋を持って、ゴミ置き場に行ったり、換気をしたりしています。言葉は強いですが、妻は洋一さんの母の面倒を見ていることがわかりました。 10時ごろに、筋肉質の30代後半くらいの男性が入っていきました。おそらくヘルパーさんなのでしょう。男性と妻は12時に出てきました。男性は顔立ちが整っており、どこか洋一さんに似ている雰囲気を持っています。
男性に語る妻の本音
12時ごろに二人は出てきて、近くのファミレスへ。妻が「なんでも食べていいよ。ステーキでも、なんでも」と促すと「自分は、チキンソテーのソースなしで」とオーダー。同じものを食べながら、妻は男性にグチをこぼしていました。 「昨日、うちの両親に会ってきたんだけど、やっぱり会話ができるっていいね。あのバカは、一方的に意味がないことをベラベラ話していて、こっちの話を一切聞かない」などと言っています。バカとは洋一さんの母のことでしょう。気持ちはわかるけど、認知症を発症している人も辛いんですよとも言いたくなります。男性は「そうですよね。わかります。でも夫さんのお母さんの面倒を見ているってマジ尊敬します」などと言っています。 すると妻は「アイツは、自分の母親の老いが受け入れられなくて、“もっとしっかりしろ”とか“野菜と肉を食え”などと、怒鳴ったり壁を殴ったりするからさ。すると認知症の発症が早くなるじゃない」と言っていました。「アイツ」とは洋一さんのことでしょう。洋一さんが母親に対してつい怒鳴ってしまうとも言っていましたが、想像したよりもひどいのかもしれません。また、洋一さんの母はゼリーと菓子パンが好きで、妻はコンビニに掛け合い、彼女好きな商品を入荷してもらうようにしていることもわかったのです。口は悪いけれど、妻は洋一さんの母のために行動しているのは事実です。