【福田麻琴さん】順調だったキャリアを中断しパリ留学したのは「失恋したから」!? 唯一無二のスタイルが確立するまで
パリジェンヌ達のファッションへの意識の高さに驚き!“人生で何を一番大切にするのか”を考えるように
留学していた1年間は「価値観が180度変わるような経験をした」と当時を振り返ります。一つ目は、撮影の現場のフラットさ。現場では上下関係がなく、スタッフが対等にやり取りしていました。 「日本では上下関係がちゃんとあって、それはそれでいい面もあるのですが、向こうでは、基本本人に任せてるんですよね。スタイリストやカメラマンのアシスタントも師匠と対等な関係で、“あなたはどう思うの?”“どっちがいい?”とアシスタントも意見を求められます。日本では観たことない状況にとても驚きました」 何より驚いたのが、パリジェンヌ達のファッションへのこだわり。それまで雑誌で仕事をしてきたこともありトレンドを意識してきましたが、フランス人はそれぞれが好きな服を着ます。ある人は古き良きものを大切にし、ある人は自分のテーマカラーを決めていたりして。パリでスナップ撮影した人が、祖母から譲り受けたバッグや母親が愛用していたジャケットを着ていることもよくありました。また、それまで靴は「足がきれいに見えるからヒール一択」だった福田さんですが、パリに来てからフラットなシューズもよく履くようになったそうです。 「美しく見せたい、という思いからヒールを履いていましたが、パリではすべてが自由。誰かのために洋服を着るという感覚がなく、服を着るのは自分のため“個”を大切にした着こなしを楽しみます。日本では“自分のために何かをする”と、昔はわがままだと受け取られがちでしたが、パリではそれが普通。歳を重ねたマダムがミニスカートを履いている、なんてことも普通です。仕事への意識も違っていて、何より休暇を大事にしているんです。バカンスのために仕事をしている人もいて、“人生で何を一番にするのか”考えるきっかけにもなりました」
みんながフラットな関係で現場の雰囲気がいいと、それだけで仕事が楽しいしスムーズに進む
ファッション、生き方。すべてにおいてみんな違っていい自分を尊重する生き方。留学を終えて東京に戻った福田さんにも、仕事をする上で変化があったそうです。 「いい意味でこだわりがなくなり、図々しくなりました。一方で、ここだけは譲れないというこだわりがクリアになったと思います。帰国してからの現場ではアシスタント達が意見を言いやすい雰囲気作りを心がけるようになりました。最新のアプリの使い方なんかは全部彼女達から教わっています。みんながフラットな関係で現場の雰囲気がいいと、それだけで仕事が楽しいしスムーズに進みます。それぞれが力を出し合って、一番いいものができればベストです」