首都圏の中学受験「今年も厳しい」 志願者数増の人気校に見る、“難関大進学”ではない納得のニーズ
◆伝統女子校の進化に注目
伝統女子校の進化にも注目です。コロナ禍以降、積極的なICT活用、女性活躍のためのさまざまなプログラムの導入、社会とつながる探究活動、高大連携・教育提携などを推し進めている学校が目立っています。 三輪田学園中学校はその筆頭で、立地のよさや環境のよさ、面倒見のよさなども併せ持って安定した人気を維持しています。また昭和女子大附属中学校は、数年前から力を入れてきたグローバル教育に加え、スーパーサイエンスコースを1年生から導入し、「グローバル&サイエンス」教育の先進的女子校へと進化。 跡見学園中学校は、本物に触れる教育という理念を掲げ、芸術科目も重視。知性を磨き情操を養う教育で、自律し自立する女性を育成するという創立時から変わらない教育が再認識されて人気が出ているようです。またトキワ松学園中学校はもともと「探究女子を育てる」という理念を掲げた学校で、探究の先進校といってもいいでしょう。 女子校は、女性の地位が今以上に低かった時代に、女性の自立を目的に創られた学校が多いので、現代でもそのような理念に基づいた教育を行っている学校が多く、時代の変化に素早く反応して進化を遂げられるのでしょう。 また、男子校・女子校ともに、思春期に異性の目を気にせず過ごす中で、自分らしさを発揮し、リーダーシップを育めるのも特徴の1つです。ジェンダーの時代ですが、別学を選べるのは中学受験ならでは。共学と決めつけずに一度は見学に行くことをおすすめします。
◆面倒見のよさ、居心地のよさ、立地のよさで人気の学校
この他に、順天中学校、城西大学附属城西中学校、日本工業大学駒場中学校、駒込中学校、淑徳巣鴨中学校、東京成徳大学中学校、桜丘中学校、麗澤中学校など、新たな時代に求められる教育を展開しつつ、生徒にとって居心地がよく、個々の生徒の可能性を伸ばしてくれることを期待できる学校にも人気が集まっています。 また立地の面では、東京の東部・北部・東京都隣接する千葉・茨城エリアは、近年若い世代の人口が増加しており、そういう人たちの受け皿として志望者が増えている学校が目立ちます。